世界最高効率の超コンパクトEV「T.27 City Car」(2/3 ページ)

» 2011年07月09日 14時16分 公開
[日岐まほろ,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

 T.27 City Carは床下に蓄電容量12キロワット時のリチウムイオンバッテリーを搭載。出力25キロワットのモーターにより後輪を駆動させ、最高速度は時速105キロ、また最大130マイル(約209キロ)の航続を可能とするが、掲げられたコピーは「世界で最も効率に優れたEV」というもの。

 「世界最高効率」の根拠となっているのは、走行1キロあたりの「電費」の値だ。プレスリリースによればT.27 City Carの走行1キロ当たりの電力消費率は、最新のスマートEVよりも29%、三菱のi-MiEVより36%、そしてBMWのMINI Eとの比較では86%も少なくて済むのだという。

エキサイトイズム モーターモジュール(ザイテック・オートモーティブ製)

 この圧倒的な低消費電力走行を支えるのが、軽さである。T.27 City Carは、バッテリーを含む車両車重がたったの680キロに抑えられている。これはライトウエイトで有名な初代ロータス・エリーゼとも真っ向勝負できるほどの軽さだ。マーレイ氏は「環境負荷の軽減や燃料消費の削減という課題に対抗するにあたり軽量化が最も強力なツールであることはすべての自動車にいえること。特に電気自動車の場合、軽さは真に強力な武器となる」という。軽ければ走行に必要な電力は少なくて済み、消費電力を抑えることができれば重量の嵩むバッテリー搭載割合の最適化にもつながる。このマイクロコンパクトの開発に当たっても、軽さに徹底的にこだわったのだ。

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 優れた効率は、駆動パワーの消費率や環境負荷の少なさに限ったことではない。一般的な1台分の駐車スペースに3台の駐車が可能というコンパクトな車体は、市街地における駐車問題の解決にも効果を発揮。

 またT.25、T.27の具体化にあたりゴードン・マーレイ・デザインが開発した「iStream」という効率的な自動車製造プロセスでは、車体の製造に関わるコストを大きく削減することに成功。コスト削減の取り組みは、事故などによる外装破損時におけるパネル交換時のことまで考慮されている。もちろんF1設計エンジニアの手によって開発された車両だけに、衝突安全面においても入念な開発が行われているほか、車体剛性にも優れその走りは十分にファンなものだという。

エキサイトイズム 小型車で気になるのが衝突安全性。この点においてT.27 City Carは欧州の衝突安全テスト機関であるユーロNCAPの規格におけるフロントオフセットおよび側面衝突のテストいずれにおいても、キャビンの安全性を確保した

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