避難所の閉鎖、仮設住宅暮らし――震災から3カ月、相馬市と旭市の今東日本大震災ルポ・被災地を歩く(3/5 ページ)

» 2011年07月09日 08時00分 公開
[渋井哲也,Business Media 誠]

千葉県の被災地、旭市飯岡地区

 千葉県旭市飯岡地区。ここを訪れたのは3月19日以来の2回目である。当時は、瓦礫がたくさん残っており、災害ボランティアに登録した人たちがその瓦礫を撤去していた。全壊の住宅を重機が壊していたり、半壊の住宅は、家の人が片付けをしていたりした。まだ震災直後だったこともあり、緊張感はあるものの「東北の被災地に比べればまだいい。だから、我慢しないといけない」といったムードが漂っていた。

瓦礫が片付けられ、空き地となっている旭市飯岡地区(6月16日)
飯岡地区の仮設住宅。150戸がある

 6月16日、再びその地を訪れた。瓦礫は撤去され、町並みは一見、平静さを取り戻しつつあった。私は以前取材をした男性を探そうとしたが、その男性の家は取り壊されていた。男性はそのとき、「2階までは浸水していないので、1階を片付けて住む」といったことを考えていたが、3カ月経って来てみると、もう空き地になっていた。

 市災害復旧・復興本部によると、5月21日に市内の避難所は閉鎖となった。現在は旭地区と飯岡地区に仮設住宅が建設されている。このうち飯岡地区には、150戸が建設されている。

 ここに妻と住んでいる男性(68)は、これまでの避難生活について「震災当時は、飯岡小の避難所に逃げました。ただ、寒いので、冷暖房がある福祉センターへ移りました。飯岡小のほうが知り合いがいたのですが、3階だったので、上り下りが大変だったです」と話す。「隣は知り合いなので交流があります。しかし、2棟隣になると、もう誰かは分からない。ただ、隣との境界はベニヤ板。テレビの音が聞こえたりする」と述べた。

 また、お風呂が狭いユニットバスなので、近くにある福祉センターのお風呂に入りにいく。「一回の入浴料は200円なんですが、月1000円のチケットがある。5回は入れば同じ値段なので、月のチケットを買って、たまに入りに行っています」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.