“次の売れるデザイン”、スピーカーの場合――PROTO LAB

» 2011年07月08日 13時00分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 2011年7月6日から8日まで、東京ビッグサイトで「DESIGN TOKYO 第2回東京デザイン製品展」が開催された。昨年に引き続き、「次の売れるデザイン」をテーマに、プロダクトデザイナーたちがプロトタイプを出展する特別企画「PROTO LAB」も実施された。照明部門やイス部門のほかに、新たにスピーカー部門、ダストボックス部門、防災部門などが追加された。今回は、スピーカー部門の3作品と防災部門の1作品を紹介する。

改めて“音”を形に「アクティブスピーカー‘KODAMA’」

 ラグビーボールのようなアンプ兼ウーファーを中心に、飛行機のエンジンのような2つのスピーカーで構成される「アクティブスピーカー‘KODAMA’」。音楽のもつ高揚感や象徴性を形にした。

PROTO LAB

 イチバデザインスタジオの市場純生さんは、音や音楽に形を与えたらどうなるのかというコンセプトを基にデザインしたという。流線型のスピーカーは、空気の流れをイメージしている。昨年の照明部門「Fruit Lamp」に続き、2年連続の出展だ。

まるで白川郷そのもの「合掌」

 世界遺産として登録されている白川郷・五箇山の合掌造り集落。その形のままにスピーカーとなったのが伊藤家具デザイン、伊藤洋平さんによるスピーカー「合掌」。耳から入る心地よい音とともに、視覚からは日本独特の美しさややすらぎを得られるという。

PROTO LAB

気に入ったマグカップで自分だけのスピーカー「mugbug」

 転ばないように踏ん張るスピーカーグリル。その胴体はどう見てもマグカップ。日本工業大学の細田彰一さんの「mugbug」は、お気に入りのマグカップと組み合わせられる着せ替え感覚のスピーカーユニットだ。

PROTO LAB

 プロトタイプでは、ミュージックプレーヤー組み込み版、アンプ別体スピーカー、アンプ組み込みスピーカーの3種を提案する。開口部のサイズさえ合えばグラスなどもスピーカーに早変わりだ。

ワクチン運搬用の冷蔵庫「PKD Vaccine Refrigerator」

 発展途上国における伝染病の発生は深刻な災害だ。大阪大学大学院の川崎和男教授は、ワクチン接種に関する製造、運搬、管理、廃棄にいたるすべてのプロセスのシステムデザイン「PKD(Peace-Keeping Design)」を行っている。

 PKD Vaccine Refrigeratorは、背負い型のワクチン運搬用小型冷蔵庫。バッテリーを内蔵し、3日間の保冷が可能だ。重量6キロの軽量化を目指して、バッテリーの技術革新が待たれるという。

PROTO LAB

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