“考えて仕事をする”組織はどうすれば作れるのか(1/2 ページ)

» 2011年07月08日 08時00分 公開
[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 経営者が従業員に対してボヤクことの1つに「考えて仕事をしていない」「何も考えずにやっている」というものがあります。「頼んだ業務は言った通りそのままで、工夫もヒネリも進歩も驚きも何もない。思考停止状態で仕事をしているように見えるし、そういう仕事ぶりが不満・不安だ……」という話です。

 だからといって「思考力を付けさせよう」と考えて、思考法を勉強させるというのはギャグで、コンビニの前にウンコ座りしているヤンキーに茶道を教えようとするのと同じ。ボンボン政治家に庶民生活のリアリティを理解しているフリをさせようとするのと同じ。そういうスタンス、マインドになっていないのに技を教えたって無理というものです。

 思考の入った仕事が行われるためには、次のような条件が必要です。

1.何のため(誰のため)にするのかという目的

2.どの程度のレベルを期待されているのかという基準

3.自らの判断・裁量でやっていいことの範囲

4.結果に対する賞賛や寛容への期待

5.絶対の答を持つ人はいないという前提

 目的とクリアすべきハードルの高さが明確になっており、取り組んだ結果に対する周囲の反応に期待を持つことができる。さらに、一定の裁量があって、その仕事の成否は自分次第なのだと思える状態です。

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