“原子力村”、彼らの反論を紹介しよう原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(3)(4/4 ページ)

» 2011年07月06日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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武田:そして、最後に僕はこういう質問をしています。「あなたは電気がほしいから、子どもが被ばくしてもいい、というお考えですか?」と。ここまで切り込んでいくと、相手も「いや、そういうわけではなくて……」と言葉につまってしまう。しかし今でも「電気は必要なので、原発は安全にしておこう」といった議論をする人が多いですね。

 彼らの言動は、僕にはこのように見えてしまうんですよ。「原発にはいろいろな問題があるが、見ないでおこう。とりあえず動かしてみるが、どうか壊れないでくれ」と。

原口:希望的な観測を結論にしているわけですよね。考察の結果ではなくて、あくまで希望的観測に過ぎません。ファクトに基づいて物事を進めていく人たちが、本当の科学者なのですが……。

武田:その通りだと思います。

 →続く

福島第1原子力発電所 津波来襲状況(2011年3月11日 撮影場所:固体廃棄物貯蔵庫東側のり面、出典:東京電力)

プロフィール

原口一博(はらぐち・かずひろ)

1959年佐賀県生まれ。1983年東京大学文学部心理学科(第4類心理学)卒業。1987年佐賀県議会議員当選。1996年衆議院議員に当選。2003年民主党副幹事長。2009年総務大臣。この間、郵政民営化に関する特別委員会筆頭理事、総務委員会筆頭理事、拉致議連(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)副会長などを歴任。現在は衆議院総務委員長を務める。

著書に『ICT原口ビジョン』(ぎょうせい)、『平和 核開発の時代に問う』(ゴマブックス)などがある。

武田邦彦(たけだ・くにひこ)

1943年東京都生まれ。1966年東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。1986年より同社ウラン濃縮研究所長を務め、自己代謝材料の開発に取り組む。1993年より芝浦工業大学工学部教授、2002年より名古屋大学教授を経て、2007年3月より中部大学総合工学研究所の教授。また内閣府原子力安全委員会の専門委員などを歴任する。

著書に『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)、『偽善エネルギー』(幻冬舎新書)のほか、原発問題をテーマにした『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある 』(ベスト新書)などがある。


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