水準訂正一巡感、手掛かり難で小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月05日 16時36分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が休場となると途端に冴えない展開となりました。為替も落ち着き、特に売り急ぐ材料もないことから底堅さはみられましたが、政局の混乱や米国株の反動安を警戒する動きなどから積極的に買い上がることもなく、指数は小動きとなりました。先月の既存店売上高なども伝えられていますが、決算見通しと同様に好調なものも多いのですが、素直な反応とはならずに株価への影響は限られていました。昨日の相場で日経平均が心理的な節目とみられる10000円水準をつけたことで目先的な達成感もあり、水準訂正一巡となって上値も重くなっているものと思います。

 FX(為替証拠金取引)は危ないのではないかとみている人もとても多いようです。FXに限らず、株式でも先物でもそのリスクをしっかりと把握しておかなければもちろん「危ない」ということになると思います。FXでもレバレッジを極力小さくすれば外貨預金と変わらず、逆に手数料が安い分危なくないとも言えるでしょう。もちろん資金効率を考えながらリスクをしっかりとコントロールする必要がありますが、単に外貨預金代わりに使うとすれば使い方もあるのではないかと思います。

 株式投資にしても今日上がる銘柄、明日利食える銘柄と考えるから難しいのであって、リスク管理をしっかりとすれば、考え方によっては今は投資の大きなチャンスと言えるような水準かもしれません。いつも例に上げるものに、株主優待を利用した投資というものも考えられます。金券でもらえるなどというケースもありますが、百貨店の割引などうまく利用できるのであれば(居住地にもよりますが・・・)実際に株式の価格変動のリスクを減らす効果があるということになります。

 例えば現在の株価が500円、単位株数は100株という株があり、この株を保有していると10%割引をしてもらえるカードが送られてくるなどと言うのがあります。年間でこの百貨店で50万円の買い物をするのであれば10%割引ですから5万円得をしたことになり、株式をただで買ったことと同じ効果が得られるということになります。しかも一度買って保有し続ければ毎年買い物が10%割り引かれるわけですから、当初に5万円投資をすることで、毎年いくらか割り引かれた分だけ「利息」がもらえるということになります。もちろんこうした百貨店だけではなくいろいろな優待などもあるわけですから、リスク分散もかねて、投資の対象として見直してみてもいいかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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