日経平均1万円を一時回復するも、達成感から売られ上げ幅縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月04日 16時13分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国株が大幅高となったことから買い先行となり、前場は上値も限定的となって10000円目前で足踏みとなりましたが、後場に入ってから10000円をつける場面もありました。達成感もあり、一瞬付けた後は再度10000円割れでの値動きとなりましたが、案外値持ちも良く大幅高となりました。外国人も買い越し基調とされていることで、引き続き持高調整の買い戻しなどもみられるものと思いました。

 日経平均も心理的な節目とされる10000円を付けましたが、依然として上値の重い展開となっています。大震災の影響も徐々に薄れ電力不足はあるものの大震災前の状況に戻りつつあります。ただ、政局の混乱などもあり、復興の道筋がいっこうに見えてこないことが株価の上値を押さえている面も大きいと思います。経済がうまく回っている時は政局などは特に問題視されないのですが、大震災の復興という国を上げて道筋を示さなければならない時に政策の方向性も見えないということでは経済活動も思うようには回らないでしょう。

 復興大臣も知事が待っていなかったから怒ったなどと報じられていましたが、こういう人たちは自分が何のために存在し何の仕事をしているのか、考えて欲しいものです。企業を引っ張るような経営陣もその企業がどこに向かって何をしているのか、を示すにはある程度自分の行動で示す必要もあり、しっかりとそうした行動を示しているような自治体や企業はいろいろなことが前に進んでいるのではないかと思います。

 株式投資にしても昨日まではどうだった、今日はどうだったと考えることが明日はどうなるのかということに結びついていかなければならないのではないかと思います。ただ、今の株式市場は昨日や明日を考えるというよりは瞬間瞬間を考えなければならないことが多いような感じです。ただ、そういう場合でもいつもこのコラムで述べているように自分が何をすべきか、今どういう状況にあればいいのかを大きな流のなかで見つめることが必要でしょう。待っていたとか待たせたということではなく、今何が必要で、どうすれば良いのかを考えるのは政治も投資も、企業の経営も同じだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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