コラム
» 2011年06月30日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:東電社員よ、避難所に足を運んでいるのか (1/4)

6月初旬、筆者の相場英雄氏は郷里の新潟県三条市を訪れた。そこでは「1日でも早く故郷に戻りたい」という福島県から避難した人と接することに。さらに東京電力に対する、怒りの声を聞くことになった。

[相場英雄,Business Media 誠]

 国会が内閣不信任決議案を巡って混乱していた6月初旬、筆者は郷里の新潟県三条市を訪れた。福島県南相馬市からの避難者をいち早く受け入れた三条市の國定市長を取材したあと(関連記事)、筆者は同市が設けた避難所を訪れた。

 ここで接したのは「1日でも早く故郷に戻りたい」という浜通りの人々の切実な声だった。同時に、私利私欲で政治ゲームを展開する国会議員、そして被災者に不自由な生活を強いている東京電力に対し、筆者は強い憤りを感じた。

「1日も早く帰りたい」

 大震災発生以降、筆者は東北沿岸部を中心に被災地を何度か訪れ、被災者の生の声を聞いて歩いた。また、甚大な津波被害を受けた地域では、人々が肩を寄せ合って生活する避難所も訪れた。

 三条市郊外にある福祉センターに設けられた避難所を訪れた際、筆者は違和感を覚えた。今まで訪れた避難所は周囲にがれきが散乱し、自衛隊や警察の車両が頻繁に行き来する文字通りの被災地だった。しかし、当然のことながら同市の場合は、周囲は全くの日常であり、取材当日は幼児向けの健康診断が実施され、若い親子がセンターを埋め尽くしていた。避難してきた住民たちの周囲には、日常の生活があった。避難された住民たちが、周囲の日常をどのような思いで見ているかと想像すると、複雑な思いだった。

 避難所専従の市役所職員に案内され、筆者は同避難所で世話役を務める杉義行さん(71)と会った。杉さんは南相馬市の小高区出身。元々は大工さんだったごく普通の男性だ。あの日、「今までに感じたことのない揺れを感じ、思わず戸外に出た」と言い、三条市には3月17日未明に避難してきた。以下は筆者とのやりとりだ。

yd_aiba0.jpg (A)が新潟県三条市(出典:Google マップ)
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