管理職の評価基準はコロコロ“変える”べき(1/2 ページ)

» 2011年06月29日 08時00分 公開
[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 “優しい人”は、管理職として評価されやすい。部下の言動や仕事の結果に対して寛容であるし、各々の仕事の状況などに配慮して仕事量を調節し、できる範囲の納期を設定してくれる。前例や慣習やルールにないような発想・取り組み・進め方を発表して、混乱を招くようなことはしない。メンバーが安心し、秩序ある仕事ができるように組織を運営しているのだから、たいていの場合、良い評価がなされる。

 “楽しい人”も、管理職として評価されやすい。自ら盛り上げたり、部下の言動に対する反応が絶妙であったりして、部署が和やかで楽しい雰囲気になっている。他部署や経営幹部に対して、フレンドリーなイイ雰囲気で会話をしていて多くの人に好かれている。周囲とは異なる主張を述べて、軋轢(あつれき)を起こしたり、雰囲気を悪くしてしまったりはしない。こうしてみんなからの好感を得ているのだから、たいていの場合、良い評価がなされる。

 “しっかりした人”も、管理職として評価されやすい。新しい情報や企画がある、何か提案が持ち込まれたときには、リスクを検証し、ミスや失敗をしてしまわないようにしてくれる。独断や先行、試みや挑戦は視野にもなく、関係者全員と漏れなく入念に打ち合わせ、上司にも細部まで了解をとりつけた上で丁寧に実行する。上からも周囲からも部下からも安心に感じるし、失敗しないので、たいていの場合は良い評価がなされる。

 『評価基準』的な記述をすれば、「部下への目配りや配慮ができる」「各々の業務の状況を踏まえて安定した組織運営ができる」「社内に広く人望がある」「誰とでも生き生きと、自然体でコミュニケーションがとれる」「リスクを見通しながら、検討・実行できる」「関係者に、必要十分な報連相を行っている」といったことになる。

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