大韓航空のエアバスA380がソウル/成田線に就航秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(5/7 ページ)

» 2011年06月28日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

免税品展示コーナーが機内に出現

 A380のキャビンはとにかく広い。就航前からよく言われていた「空飛ぶ豪華ホテル」という表現がぴったりだ。大韓航空はこのスペースを有効利用する試みとして、機内に2つのユニーク施設を設けた。

 1つは、メインデッキ最後部につくった免税品の展示コーナーである。「デューティーフリーショーケース」と名付けた同コーナーに、化粧品や香水、アルコール類、アクセサリーなど幅広い商品を展示し、専任の客室乗務員を1名配置。どのクラスの乗客も利用でき、乗務員に相談しながら、気に入ったものが見つかれば座席に戻って機内販売でオーダーするという仕組みだ。

飛行機と空と旅 メインデッキの免税品ショースペースでは、専任乗務員が買い物をお手伝い

 離陸後、担当乗務員が陳列棚に商品を並べていく様子を見学させてもらった。ウイスキーの瓶などは、揺れたら倒れてしまうのではないか? そう思って聞くと、彼女は商品サンプルの底の部分をこちらに向けてニコッと笑う。陳列棚に固定できるよう、商品の底に磁石がつけられているのを知って、なるほどと感心した。

ラウンジは乗客同士の交流の場

 またメインデッキとアッパーデッキの階段横のスペースには、それぞれファーストクラスとビジネスクラスの乗客が利用できる機内ラウンジを設置した。いわば、乗客同士の交流の場である。ラウンジにはテレビモニターやバーカウンターも置かれている。

 免税品の展示コーナーと同様、ラウンジのバーカウンターにも専任の客室乗務員が常駐。KE380のバーカウンターを担当していた乗務員は「スウェーデンに派遣されてバーテンダーの研修を受け、資格をとりました」と話す。メニューリストを見て好きなカクテルを注文すると、慣れた手つきでシェーカーを振り、目の前で“プロの技”を披露してくれた。

飛行機と空と旅 ソファーで時間を過ごしていると、飛行中の機内にいることさえ忘れてしまう

 ラウンジでくつろいでいるときに、気流の影響で飛行機が揺れたりしても、慌てて座席に戻る必要はない。安全性を第一に考え、ソファーにもシートベルトが設置されている。食事を終えてから着陸態勢に入るまでのほとんどの時間を、私はラウンジで他の記者や大韓航空の広報関係者らと歓談しながら過ごした。

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