週末の手仕舞い売りやヘッジ売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月24日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株安の割に堅調な展開となりました。米国市場が大きく下押したあと切り返しとなったことから、大きく下押したことに反応するのか、大きく戻したことに反応するのかが注目されましたが、週末の手仕舞い売りが懸念されるよりは、朝方伝えられた外国人売買動向が買い越しとされたことが好感されて買い先行となりました。世界的な景気鈍化懸念も今に始まったことでなく、ギリシャ問題の改善に期待する買いも入ったものと思います。

 米国ではQE2(量的緩和)終了を織り込んではみたものの、その先に対する不安も根強いようです。ただ、まだ米国の投資家の中では「FRB(連邦準備理事会)が何とかしてくれるという気があるものと思います。ただ、昨日米国市場でも気になったことは原油価格の下落だけではなく、商品相場も下落していると言うことです。また、為替もほとんど動きはなく、金融政策に変更がみられないことを市場では納得した上での反応となっていたようです。

 商品相場などもQE2が終了することで投機的な資金の流入が細るということは十分に考えられます。ただ、世界的な景気鈍化を懸念する雨後は多分に気にしすぎなのではないかと思います。金融不況の時もあれだけ元気の良かった中国やインドまでもが元気がなくなってしまったことで、今度もまた、新興国などが元気がなくなれば株式市場だけでなく商品市場も調整となると考えているのでしょう。

 確かに中国の沿岸部の都市部などはもはや「新興国」ではなく、成長は鈍化し、バブルもはじけかけているのでしょうが、内陸部の都市部ではなく近郊になるとまだまだ生活水準改善の余地も、社会的なインフラ整備もこれから、というところも多いのではないかと思います。また、中国だけではなく、EU(欧州連合)の中でもASEAN(東南アジア諸国連合)の中でも先進国と新興国に分かれるような感じになっており、これから「新興国」の範囲が広がって来るのであれば、世界的な経済の拡大はまだまだ続くのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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