世界的な景況感の悪化やQE2の終了で冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年06月24日 08時47分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9596.74▼32.69

<TOPIX>825.51▼3.48

<NYダウ>12050.00▼59.67

<NASDAQ>2686.75△17.56

<NY為替>80.55△0.26

世界的な景況感の悪化やQE2の終了を確認するかのように冴えない展開

 欧州や中国の景況感を示す指標が芳しくないことや朝方発表された新規失業保険申請件数が予想よりも悪化したこと、新築住宅着工件数も予想ほどの悪化はなかったものの、芳しくないということや石油備蓄の取り崩しを受けて原油価格が下落したことなどから売り先行となり、一時大幅下落となりました。ただ、QE2(量的緩和)の終了を織り込むかのように下値を試した後はギリシャの緊縮財政5カ年計画で合意したと伝えられて買戻しを急ぐ動きとなり急速に値を戻し、ナスダック指数は堅調、ダウ平均も下げ幅縮小となりました。

 QE2終了を織り込む過程で世界的な景気鈍化懸念も根強いことから悪材料には敏感に反応して、指数の動きにもさらに反応するというように動きが、上にも下にも加速されるようです。ただ、決定的な資金の流出などの懸念は薄れており、世界的な景気鈍化懸念が払拭されるまでは上値は重いのでしょうが、底堅さもみられるのだと思います。業績面からの見直しなどから、指数も個別にも底堅くなると思います。

 個別には3−5月期の決算は芳しくなかったものの、予想ほどの悪化がみられなかったことからレナーが買われ、血栓予防薬の臨床試験で良好な結果が出たと共同で発表したファイザーとブリストル・マイヤーズスクイブはファイザーは堅調、ブリストル・マイヤー図は大幅高となりました。前日の引け後に予想を上回る四半期決算を発表、通期利益予想を引き上げたベッド・バス・ビヨンドが大幅高、ここのところの下落の反動、買戻しが入りRIM(リサーチ・イン・モーション)も高くなりました。原油価格が下落したことでシェブロンやエクソン・モービルが軟調、ギリシャ問題などと銀行システムの相互作用に言及したECB(欧州中央銀行)総裁のコメントを受けてJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や前日までの大幅高の反動から売り先行となりましたが、外国人も買い越し基調ということもあり、底堅い展開となりました。個別には材料に敏感に反応しているのですが、総じてみると指数の動きには方向感はみられず、小動きとなりました。売り買いの決定的な材料が無いなかで、目先の需給要因に振らされているということなのだと思います。

 米国株安を受け、週末の手仕舞い売りやヘッジ売りも嵩んで日本市場も売り先行となりそうです。為替が比較的落ち着いていることや米国株がしっかりと切り返す場面もあったことなどから、底堅さもみられるのでしょうし、外国人が引き続き買い越し基調となると売り急ぐ動きも下値を売り叩くことも控えられそうです。ただ、週末に何が起こるかわからないという不安もあって、持高を増やすような買いも期待できず、下値固めというような雰囲気になりそうです。幕間つなぎとして太陽光発電関連やLED(発光ダイオード)関連銘柄などが個別に物色されることになるのだと思います。

 日経平均は引き続き9500円〜600円水準の上値の重さを確認するような展開となりそうです。下値を試すという場面もあるのでしょうが、売り一巡感もあり、下値を売り叩くような動きにもなり難く、本日はいまだ底堅さも見られるものと思います。本日ということではないのですが、来週あたりには、政局の混乱が続き原子力発電所問題に進展が見られなければ、米国景気、世界景気の鈍化が懸念されて下値の節目である9200円〜300円水準を試す場面も出てくるのだと思います。

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