いずれにしろ、上司と異動になった場合、次の点を心得る必要がある。
まず(A)であるが、上司は次の上司に引き継ぐときに、「自分にも落ち度があった」とは言わない。全面的に部下に非がある、という話にする。次の上司はこの言葉を額面通り受け入れる可能性が高い。上司は、上司の側に立つものだ。このレッテルを跳ね返すことができるかどうか。できないならば、新たな会社に移ることも1つの手段である。
(B)は、時事日想の過去の記事『どのように働けばいいのか? 事業部制という罠』でふれたことでもあるが、事業部制にする会社が増えている。そこでは、それぞれの事業部が社員数200〜300人ほどの中小企業のようになっている。
上司とぶつかった場合、異動になったとしても同じ事業部で依然として働く可能性がある。当然、事業部の本部長など上層部は、上司の意向を受け入れ、ぶつかった部下の側を低く評価するだろう。私は、何度も異動願いをするなどして他の事業部になんとか異動をしたほうがいいと思う。いまの事業部に長く残るほど、評価などで不利になることが考えられる。
(C)もよく見るケースである。異動がさほどない会社で上司とぶつかったことで、他部署に異動になると、話題になりやすい。新しい部署でもしばらくの間は、針のむしろになると心得たほうがいい。
社員数で言えば、300人規模以上になると年に1〜2回の定期の人事異動はある程度、浸透している。その意味で、定期異動がない会社では上司などとの人間関係処理能力は、全国規模の転勤や海外勤務などが頻繁にある大企業よりもレベルが高いものが求められるように私には思える。規模が小さくなるほど、私には人間関係を処理することが求められているように見える。
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