FRB議長発言への失望感もあって軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年06月23日 08時35分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9629.43△169.77

<TOPIX>828.99△13.26

<NYダウ>12109.67▼80.34

<NASDAQ>2669.19▼18.07

<NY為替>80.29△0.09

FOMCの結果は予想通りだがFRB議長発言への失望感もあって軟調

 注目されたFOMC(公開市場委員会)は予想通り景気回復は続いているものの鈍化していると言うような内容で、QE2(量的緩和)は終了するものの、金融緩和は続けるというような内容でした。ただ、バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長がQE3と言われるようなさらなる金融緩和に対して言及しなかったことや、逆にギリシャ債務問題の影響をリスク要因として言及したことなどから売られました。ただ、失望はしたものの、売り急ぐということでもなく、前日までの上昇の反動や「期待したほどでもなかった」という印象で手仕舞い売りが嵩んだものと思います。

 今後も引き続き足元の景況感とFRBの金融政策の方向性を見ながらということになりそうですが、急激に信用収縮の流れになるとか、資金の流動性が阻害されるという心配はなさそうで、ファンド筋などの資金が商品相場や株式相場に最流入する可能性もありそうです。QE2終了を織り込んで、次を考えながらということなのでしょうが、潤沢な資金の流れが滞ることがなければ強含みの展開となって来るのだと思います。

 個別には前日引け後に慎重な業績見通しを発表したアドビ・システムズが大幅下落、新型携帯電話を発表すると報じられたアップルも手仕舞い売りに押され、インテルやグーグル、IBMなどハイテク銘柄は総じて手仕舞い売りに押されて軟調となりました。金融緩和傾向が続きそうだということでしたが、ギリシャ問題などへの懸念もあって、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株も安く、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)といった景気敏感銘柄も前日の反動もあって軟調となりました。原油や金の先物も高く、エクソン・モービルなど石油株は堅調となりましたが、パブリック・ゴールドなど金鉱株は軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて買い先行となり、主力銘柄に買戻しを急ぐ動きもあって大幅高となりました。米FOMC(公開市場委員会)を受けて手仕舞い売りなども嵩むのではないかと思っていたのですが、逆に買戻しを急ぐ動きとなって指数を押し上げました。先物も散発的にまとまった買いが入りました。最後まで失速することなく、さすがに2日続けて高値引けということにはなりませんでしたが大幅高となりました。

 注目された米FOMC(公開市場委員会)はほぼ予想された内容ということで、米国市場は手仕舞い売りに押されました。日本市場も昨日までの大幅高の反動から軟調な展開となると思われます。ただ、目先的な過熱感はあるものの割高感が強いということでもなく、売り急ぐようなこともないと思われます。まだ、買われていない銘柄などに物色の対象が広がり、全体的な底堅さもみられるのでしょう。いったん手仕舞い売りに押されたような節電関連銘柄や代替エネルギー関連銘柄などを物色する動きとなるのだと思います。

 9500円〜600円水準での上値の重さを確認するような冴えない展開となりそうです。9500円〜600円水準を一気に抜けるには材料不足であり、逆に政局の混迷などから買い上がり難い環境下では9500円〜600円水準が上値とみておいた方が居心地も良いのではないかと思います。下値不安も薄らいで来たことで、近い将来9500円〜600円水準の節目は抜けて来るのでしょうが、当面は上値の重さを試す動きが続くのでしょう。

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