主力銘柄に買い戻しが入り連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月22日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 指数は連日の大幅高となりました。米国株高を受けて買われたのですが、ギリシャ問題に進展がみられたからと言われていますが、特に何が変わったわけでもなく、これまで売られていた銘柄が買われたことで指数を押し上げる要因となったものと思います。好業績見通しに反応する動きなどもみられましたが、米国株が堅調となったことで、買い安心感も出て来たのではないかと思います。ただ、自分だけかもしれませんが、なんとなく盛り上がりに欠ける格好で、物色対象もしっかりと絞りきれず、あくまでも目先の需給に振らされているという感じです。

 連日の大幅高にも関わらず、市場では盛り上がりに欠ける展開となっています。従来のような相場であれば、このように連日の大幅高などというと買い方の回転がようやく効き始めたとこであり、ここから相場が始まるという感じが強く、特に今回のようにもみ合いを下に放れかけてもみ合いの下値を試す動きからの急反発となれば「それっ!底入れだ!」とばかりに「買える銘柄はないか」ということで物色の幅も広がり盛り上がることが多かったような気がします。そもそも、今年の夏のように電力不足が喧しく騒がれているようなところであれば「節電関連銘柄」などといって物色が広がり、買い方の回転が効き、復興需要関連等と入れ替わり立ち替わり騒がれたのではないかと思います。

 今の相場だと本当に「○○関連銘柄」などと騒がれてもほんの一瞬、物色されるだけで、テーマなどで相場が作れないことが多いようです。外部要因であったり、あくまでも目先の需給要因であったりと、株式投資(投機)をするうえで、何を尺度に株を探し、物色すればいいのかわかり難く、とにかく動いたものに付け!とばかりに目先筋の動きに振りまわされ、そして目先筋も株価の動きに振りまわされているという状況ではないかと思います。ですから、こうした時こそ原点に戻り、安い株はないかと探してみたり、お役御免とばかりに目先筋が一斉に手を引いたような銘柄で先行きが期待される銘柄の押し目を拾うということが良いのではないかと思います。

 基本的に株式投資は誰も気がつかないような割安の時に買い、誰もがその株価の割安さに気がついて、買う人が皆買ってしまったところで売ると言うことで儲かるのだと思います。本当に株は安いところで買い、高いところで売る、そして高いところで売り、安いところで買うということで良いのだと思います。とりあえず買ってみて利益が出たら売ろうとか、ここで買ったらいくらで利益が出るかを計算しながら投資をするものではないと思います。基本に立ち返り、安い銘柄を探してみるのも良いかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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