堅調ながらも方向感に乏しい冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月20日 16時17分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場はまちまちとなり相変らず方向感に乏しく、その流れを受けてというわけでもないのでしょうが、日本市場も堅調ながらも方向感に乏しい展開となりました。値上がり銘柄数が多い割に指数は上がらず、物色対象も絞りきれないという感じでした。電力株が一斉に買われて地合いが好転、多少の売り材料では大きく売られることもなく、全体的に買い戻しも交えながら堅調となった感じです。

 依然として相場の方向感がみられません。政局の混乱が続いていることや原子力発電所問題も一向に進展せず、何も変わらないところが嫌気されているのだと思いますが、米国でもQE2(量的緩和)終了を織り込んでその次の展開を探る動きの中で方向感がみえない、読み切れないということなのでしょう。翻って日本では米国に追随する動きもなく、あいかわらず何をみて売り買いをしているのか良く分からないような状況が続いています。個別の材料に反応しているのはいいのですが、全体の流れをみて、例えば、好業績が期待される銘柄はきれいに右肩上がりになっているなどということもなく、あくまでも目先の動きに反応して右往左往しているようです。

 PBR(株価純資産倍率)が1倍を割れているから買われた、とか、外資系証券が投資判断を引き上げたから上昇した、などということが良くいわれますが、逆に買われたから理由を探してみたら、PBRが1倍を割れているとか、証券会社がレポートを出したということで、材料で買われたということではなく買われた銘柄の材料を探したということなのでしょう。値上がり率や値上がり率の上位銘柄を買ったり売ったりするという投資法などもあるようですが、買う理由が「上がっているから」という理由で買うという「投資」とはかけ離れたものと言えると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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