ビジネスパーソンに有益なコンテンツを無料で提供――bizocean×Business Media 誠ネットメディア編集長対談(1/5 ページ)

» 2011年06月16日 09時55分 公開
[嶋田淑之,Business Media 誠]

 ミロク情報サービスが運営するビジネス情報サイト「bizocean」(ビズオーシャン)と、アイティメディアの「Business Media 誠」(以下、誠)は、2011年から協業をスタート、それぞれのコンテンツの一部を相互に掲載する取り組みを開始しました。bizoceanを訪れた読者が誠の記事を読めるようになり、逆に、誠を訪れた読者はbizoceanのテンプレートやコラムなどを利用できるようになります。

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 今回はこのコンテンツ提携を記念し、bizoceanの運営責任者である、ミロク情報サービスネット事業推進部部ポータルサイトグループ長の堀貢一氏と、アイティメディアBusiness Media 誠編集長の吉岡綾乃が対談を行いました。それぞれのサイトが何を目指し、どういう方向へ向かおうとしているのか。そして、オンラインビジネス媒体はどうすれば成長するのか? 対談を通じて、両サイトの運営責任者の率直な思いが伝わればと思います。

コンセプトは「ビジネスに必要な情報を無料提供」

ミロク情報サービスネット事業推進部部ポータルサイトグループ長の堀貢一氏

吉岡 bizoceanと誠は、どちらもビジネスパーソンを対象にオンラインで展開しているビジネスメディア。スタート時期も近く、共通点がありますね。まずは、bizoceanというサイトについて、概要を聞かせていただけますか?

 ミロク情報サービスは、1977年創業以来、全国の会計事務所とその顧問先企業――主に中堅、中小企業に対し、経営システムならびに経営情報サービスの提供を通じて、経営をサポートしてきました。bizoceanは、中小ベンチャー企業のビジネスパーソンを対象とした無料ビジネス情報サイトとして、現在では60万人の会員を有します。ユーザープロファイルは、従業員数100人以下の企業で働くビジネスパーソンが70%で、年齢は30〜40代が圧倒的に多く、男性が70%です。

吉岡 やはりbizoceanの読者は、経営に携わる方が多いんですか?

 ええ、社長のほか、役員クラスや管理職が多いですね。当初はベンチャー企業のビジネスパーソンが中心になるかと思っていたのですが、実際に使用されるのは比較的歴史のある企業にお勤めの方が多いです。現在は月間700万PVくらいありますが、ここに至るまでは、けっこう紆余曲折があったんですよ。

吉岡 とおっしゃいますと……?

スポーツ新聞の"ノリ"を目指すも挫折

 弊社は当初、会計事務所向けのオフコン※メーカーでした。やがてオープンシステムの時代が到来し、その後インターネットの時代となりました。その当時、ビジネスも今後急速に変化してゆくだろう、これからは“ネット情報戦略”が重要になると考えていました。

※オフコン…「オフィスコンピューター」の略。一般企業のオフィスにPCが普及するより前に利用されていた、事務処理に特化したコンピュータのこと。

吉岡 IBMの計算機からマイクロソフトのWindows、Googleでクラウドサービスへ、という流れですね。

 ええ。そんな折、2004年のことですが、代表の是枝から『中小企業向けのポータルサイトを作ってはどうか』という話があったんですよ。ただ、実現するとなると、ちょっと難しいなと感じました。というのも、当時商用Webサイトといえば、IT系企業が運営しているものか、新聞社系のものしかありませんでしたから。自分たちがやる場合、どうしたらビジネスとして成功させられるのかが分からなくて当惑したのです。

 そこで、自分たちの“強み”は何なのか? を検討し、それを生かせる方向性を考えた結果、“弊社の顧客である全国8400の会計事務所にいる税理士の先生たちに記事を書いてもらう”という方向性でした。筆者が税理士の先生ですから、『お金まわりの話題について、スポーツ新聞のようなノリで分かりやすく書いてもらう』というコンセプトにしたのです。

吉岡 それ、面白そう! 人気が出たのではないですか?

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