中国景気の拡大や日本の景気判断の上方修正を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月14日 16時59分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9547.79円 △99.58円
売買高 19億4215万株
売買代金 1兆1576億2000万円
値上がり銘柄 1276銘柄
値下がり銘柄 282銘柄
騰落レシオ 81.36% △2.79%

日経平均

米国株のもたつきを受けて冴えなかったが、中国景気の拡大や日本の景気判断の上方修正を受けて大幅高

 米国市場は引き続き景気回復鈍化懸念が根強く冴えない展開となり、日本市場ももたついた始まりとなりました。それでも、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたことや電力会社への支援が決まりそうだということで底堅い展開となる場面もありました。ただ、寄り付きの買いが一巡となると、中国の経済指標や日銀金融政策決定会合の結果の発表を控えて積極的な売り買いは手控えられて、指数は方向感に乏しい展開となりました。昨日まで売られていたものが買われ、買われていたものが売られるような手仕舞い、持高調整の売り買いも見られ指数は小動きとなりました。

 後場に入ると指数は上昇、大幅高となり値持ちの良い展開となりました。昼の時間帯に伝えられた中国の経済指標も景気拡大は鈍化しているものの想定されるほどでもなく、物価上昇も大きく上昇しているのですが、予想通りということで、好感する動きとなり、またついで発表された日銀金融政策決定会合でも景気判断が上方修正となり、買い戻しを急ぐ動きもみられて指数は大幅高となりました。ただ、さすがに上値を買い上がるだけのエネルギーや先行きに対する楽観的な見方があるわけでもなく、買い戻し一巡後は値持ちは良いのですが、方向感のない展開となりました。

 小型銘柄にも堅調なものはみられましたが、ここのところの冴えない相場展開のなかで幕間つなぎとして買われていたものが主力銘柄への乗り換え売りに押されて安くなるものが目立ちました。日経ジャスダック平均は堅調となりましたが、東証マザーズ指数やジャスダックTOP20は軟調となりました。先物は午前中はまとまった売り買いもほとんど見られず冴えない動きでしたが、午後になってから中国の経済指標や日銀金融政策決定会合の結果を受けてまとまった買いがみられ、指数を押し上げる場面もありました。

 珍しく(?)経済指標への反応となりました。といっても中国の経済指標に反応しているのですが、日銀の金融政策決定会合の結果も決定的な売り買いのシグナルというよりはあくまでもまだ持高調整のきっかけという感じです。世界的に景気鈍化が懸念されていますが、大きな流れで見た場合に米QE2が終了しても世界経済の拡大は続くものと思われ、資金の流れも若干細ることはあるのかもしれませんが絶対量はさほど変わらず、大きな流れは続くものと考えられます。その中で世界経済拡大の恩恵を受けるような企業は順調に業績も拡大していくのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 再び雲に突っかけるような展開になりましたが、まだまだ上値も重そうです。ストキャスティックスは底値圏からの上昇となりそうですが、RSIは相変らず方向感はなく、遅行線もまだ日々線を意識するところでもなく、まだ雲の下限に沿って、あるいは基準線や雲の上限に押さえられながら調整が続くのだと思います。

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