手仕舞い売りや見切り売りが嵩んで大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年06月13日 08時01分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9514.44△47.29

<TOPIX>817.38△4.43

<NYダウ>11951.91▼172.45

<NASDAQ>2643.73▼41.14

<NY為替>80.34▼0.01

世界的な景気鈍化、銀行の規制強化、欧州金融不安と懸念材料が多い週末で手仕舞い売りや見切り売りが嵩んで大幅下落

 特に経済指標の発表に反応したと言うことでもないのですが、中国やインドの自動車生産の伸びが鈍化していることなどから、ここのところ懸念されている世界的な景気鈍化が懸念されたことや、米国で銀行規制強化が取り沙汰されていること、そして欧州金融不安もあって、QE2(量的緩和)終了も合わせて信用収縮の動きから商品相場も軟調となり、株式市場も週末の手仕舞い売りやヘッジ売りも嵩んで大幅下落となりました。これまで世界の景気回復をけん引してきた新興国の景気拡大鈍化がどうしても気になると言うことなのだと思います。

 世界経済の拡大そのものが後退となったわけでもなく、景気拡大スピードが若干鈍ったと言う程度なのでしょうが、欧州で引き続き財政不安や金融不安がくすぶっていることに加え、米国ではQE2終了後の金融政策への不安が募り、そのなかでまたぞろ金融規制強化の話が出たことで一気に信用収縮の流れで手仕舞い売りなどを急ぐことになったのだと思います。多分にセンチメントの問題であり、FRB(連邦準備理事会)のQE2後の緩和政策継続が確認されれば再度買い直す動きも出て来るのだと思います。世界景気の拡大鈍化懸念も拡大する新興国の範囲拡大でカバーできるものと思われ、懸念は一過性と思われます。

 個別には世界的な景気鈍化懸念から景気敏感銘柄が軒並み軟調、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、フォード・モーターなど主力大型株やアルコアやモサントなど素材株、インテルやIBM、アップルなどのハイテク銘柄などが売られました。信用収縮懸念からエクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株など昇進市況と連動する銘柄も売られました。金融規制強化の話題もあったのですが、大手行への影響は小さいと言うことで、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど銀行株は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や先物・オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む買いが入り堅調な始まりとなり、外国人も買い越し基調と伝えられたこともあって一時大幅高となりました。たださすがに週末の手仕舞い売りもあり、後場に入ってからは上げ幅縮小となり小型銘柄も軟調なものが多いなど引き続き冴えない展開となりました。SQという割には売買高も盛り上がらず、方向感に乏しい展開となりました。

 米国株が大幅下落となったことから日本市場も軟調となりそうです、ようやく戻りかけた感もあったのですが再度下値を試すような展開になるかもしれません。大震災の影響は織り込まれているとは言っても回復の鈍さを懸念する動きとなって来る可能性もあり、また、世界的な景気鈍化懸念も原子力発電所問題と同様に復興を遅らせる要因となりそうです。政局の混乱も大震災からの復興を遅らせるものとして懸念が強まり、見切り売りが嵩む場面もありそうです。自動車株やハイテク銘柄の一角など景気敏感銘柄が売られそうで、代替エネルギー関連の小型銘柄などが幕間つなぎ的に物色されるのでしょう。

 日経平均はやはり、9500円〜600円水準が上値となりそうな気配です。米国株安から本日下値を試す動きとなれば、今度は9200円〜300円水準での底堅さを試す動きとなってきそうです。目先的にはもみ合いのなかで方向感に乏しい展開が続くのでしょうし、好調な経済指標の発表などがあっても需給要因や世界的ない景気鈍化懸念から冴えない展開が続きそうです。過熱感もなく、逆に売られ過ぎ感も強く、売り難いことは売り難いのでしょうが、もみ合いのなかで軟調な地合いとなりそうです。

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