米国株高と言うことや米ドルが落ち着いていたことに加え、先物・オプションSQ(特別清算指数)に絡む目先筋の買いも入って買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後は上値が重くなったものの前場は値持ちが良く、大幅高水準での動きとなりました。後場に入ってからはさすがに上値の重さを嫌気するように週末の手仕舞い売りもあって上げ幅縮小となりましたが、比較的堅調な展開となっていました。
相変らず「手掛かり難」と言う状況です。何度もこのコラムで述べているように政策の方向性が見えないことで手掛かりに乏しいと言うことなのでしょうが、電力不足と言う事実に何とか対処していかなければならないなかでは「節電」などと言うテーマでもっと相場が賑わっても良いのではないかと思います。インターネット取引が中心になり、売買コストが極端に低くなったことで目先的な売り買いが多く、一つのテーマで買い続けると言うことが難しくなっていることは確かだと思います。
ただ、そうは言ってもそうした息の長いテーマに乗った銘柄であれば高いところを買って、より高いところで売ると言うような目先の動きについていこうと言う投資(投機?)よりも、逆に皆が見放したあたりで仕込んでおくと、折に触れてテーマが取り沙汰されるたびに、あるいは割安感が強まる時に買い直されることが多く、しっかりと何度も儲けることが出来るのではないかと思います。
テーマに乗って買われる時、初動であればその勢いに乗ると言うこともできるのでしょうが、乗り遅れた、と思った時は慌てずに、まずは息の長いテーマなのかどうか、折に触れて蒸し返されるようなテーマ、材料なのかどうかを考えて、押し目を狙うと言うことで良いのだと思います。そういう意味では現状の節電と言うテーマは「スマートグリッド」であり、その関連銘柄の動きをみておけば、買える銘柄もみえて来るのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング