売り買いの手掛かりに乏しい中で米国株安を受けて売り先行となりました。朝方発表されたGDP(国内総生産)改定値は速報値から上方修正されましたが特に材料視されることもなく、寄り付きの売り買いが一巡となった後は積極的な売り買いに乏しく指数に方向感は見られませんでした。為替は円高一服となったのですが、目先的に値動きの良い銘柄に飛びつく動きはみられるものの、腰の据わった買いもみられず、逆に売り急ぐこともなく終始冴えない展開ながら小動きとなりました。明日の先物・オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売り買いも特に目立つようなこともなく、様子見気分の強い相場となりました。
今週は当局サイドの問題もあり、証券会社も商売がやり難くなっていると言う話をしましたが、証券界自体も改善の余地がありそうです。金融証券取引法が施行されて以来、(その前から傾向がありましたが)やたらに「コンプライアンス」の問題が言われるようになって来ました。かつて在籍した証券会社などは販促ツールの導入を考えて稟議に回そうと思ったら「コンプライアンスの許可を得たのか!」と叱責を受けてしまいました。販促ツールをいかにして法律に問題ない形で顧客に提供するかと言うことがコンプライアンスの仕事であり、そのツールを導入するかどうかまでを決めるのは行きすぎではないかと思います。
昨日も述べましたがかつては営業マンが自分で作った資料をファックスで送ったり、持参したりして重宝されたものです。今はツイッターでわけのわからない輩がつぶやくのは問題がなくても、証券マンが手書きの資料を客先に持参するのはいけないと言うことなのです。何度も言うようですが、警察の交通取り締まりではないですが、何のために取り締まっているのかなどはどうでもよく、悪いこと(?)と決めたのだからいけないのだと言うことになっているようです。
怪しげな町の投資顧問やダイヤルQ2などはなりをひそめましたが、必要悪ということでもないのですが、そういったものもまた「株式市場」であるわけですし、ある程度清濁併せのむような市場であっても良いのではないかと思います。また、インターネットやメールマガジンを使った販促ももっと気軽に出来るようになると良いのではないかと思います。株価と言う生ものを扱っているのに、いちいちお伺いを立ててから顧客に連絡すると言うのもこれまたナンセンスな話ではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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