冴えない展開が続く清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月08日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9449.46円 △6.51円
売買高 16億6375万株
売買代金 1兆0299億3900万円
値上がり銘柄 765銘柄
値下がり銘柄 703銘柄
騰落レシオ 79.80% △3.91%

日経平均

米国株が軟調、為替も円高、世界的な景気鈍化懸念も根強く、冴えない展開が続く

 米国市場もダウ平均が5日続落となって、冴えない展開が続いていることや為替も円高に振れたことなどから売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたことで底堅さもみられたのですが、金額ベースでは売り越しと伝えられたこともあり、買い戻しが一巡となると軟調な展開となりました。円高がさらに進むと手仕舞い売りを急ぐ動きもあって下げ幅を広げる場面もあったのですが、決定的な売り材料にも乏しく、ETF(上場投資信託)に絡む買いも入っていたようで、底堅い展開が続きました。

 後場も引き続き冴えない展開となりましたが売り急ぐ動きも依然としてみられず、指数は小動きとなりました。為替もいったん円高に振れた後は小動きとなり、手掛かりに乏しく目先筋の手仕舞いの売り買いが中心となって、方向感がみられませんでした。幕間つなぎ的に買われるものも散発的なものにすぎず、相場全体の方向感に乏しく、売り買い決定的な材料もなく、先のみえないながらも底堅く、大震災からの復興に期待するには上値が重いと言う感じでした。

 小型銘柄も昨日まで買われていたインターネット関連銘柄に利益確定売りに押されるものが多く、総じて冴えない展開となりましたが、後場に入ると代替エネルギー関連銘柄などを中心に切り返すものが多く、ジャスダックTOP20はETFに絡む買いが入っているのか、大幅高に近い水準まで買われ堅調となりました。東証マザーズ指数は小幅高、日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は明日の最終売買を控えて積極的に持高を売り買い傾けると言うよりは乗り換え(ロールオーバー)が中心で方向感を出すような場面もほとんどなく、まとまった売り買いも散発的にみられるだけでした。

 相変らず方向感に乏しい展開となっています。世界的な景気鈍化懸念に加え、政局の混乱も買い控えさせる要因となっているのでしょう。ただ、一方で足元の企業の状況を考えると大震災の影響はあったものの前期(2011年3月期)の業績はしっかりといわゆる「リーマンショック」と言われた金融恐慌から立ち直っており、今期に関してもサプライチェーンなどの問題が取り沙汰されたものの、想定されていたよりははるかに大震災からの立ち直りも早めにみられると言うことではないかと思います。ここは目先的には冴えない相場が続くのでしょうが、その先をみれば企業業績の回復、世界的な景気の拡大は続いているとみてもいいのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 底堅いのですが上値も重く方向感に乏しい展開となっています。下値模索と言う状況ですが、RSIは下落気味で下値余地もあり、ストキャスティックスは底値圏ですがまだ下げなりない感もあり、しっかりと戻りを試すにはもう少し時間がかかるかもしれません。当面は雲を意識して上値の重い展開が続くのではないかと思います。

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