「擬人化」は、「萌え」の文脈で見ることができる(デジタルコンテンツ EXPOのパネルディスカッションで座長を務められた、京都工芸繊維大学大学院倉本到準教授も指摘している)。例えば、秋葉原のデジタル&コンテンツ系ショップ三月兎(参照リンク)の店頭などを参考に、「擬人化」のタントラ図を書くとすると、次のようなものになる。
それでは、今、誰がどう萌えているのか? ネット行動やコンテンツ消費に関するアスキー総研の1万人調査『MCS(メディア&コンテンツサーベイ)2010』(参照記事)で調べると、「萌え」に関する特徴的な構図が見えてくる。
例えば、MCSで「本や雑誌記事の興味テーマ」として、「萌え」と答えた人を性年代別で集計してみる。
なんといっても、20代が「萌え」が興味テーマと答えた人のピークとなっている。我々の他のデータでも明確に出ているが、今の若年層はとてもアキバっぽい。そして、もうひとつ目に付くのが、30代の減少が大きいのに対して、40代がしぶとく萌えていることだ。グラフを見ると、男性40代のところが腰骨のように張り出している。
実は、「萌え」に関係するコンテンツの視聴層やサービスの利用層を性年代別で集計すると、ほとんどの場合これに似たカーブにお目にかかることになる。例えば、「萌え」系の人がもっとも見ているテレビ番組の1つ、『けいおん!』を見てみよう。
メイド喫茶の利用者やコミケ(コミックマーケット)参加者など、「萌え」に関係するサービスでも、この特徴的なカーブになる。
単純に、20代のコンテンツの消費量が多いということだけでは説明できない。「萌え」でない興味テーマでは、このようなカーブにならないからだ。
これ以外にも、「萌え」系の人たちの特徴を示すデータはある。例えば、「萌え」の人の使用ケータイは、ドコモが38%、auが36%、ソフトバンクが26%となる。全体では、同46%、31%、24%のシェア(ネットを利用する12〜69歳男女)なので、auを使っている比率がかなり高いことが分かる。ケータイ業界では「auはアニメファンに強い」といわれてきたが、それ以上の数値を示している。
しかし、興味深いのは20代が萌えていて、40代もしぶとく萌えているという性年代別のデータではないかと思う。これについては、いずれジックリ触れることにしよう。
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