金融緩和期待も弱く冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年06月08日 08時38分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9442.95△62.60

<TOPIX>807.99△5.77

<NYダウ>12070.81▼19.15

<NASDAQ>2701.56▼1.00

<NY為替>80.07▼0.03

引き続き景気回復鈍化を懸念、金融緩和期待も弱く冴えない展開

 前日までの大幅下落の反動から、特に経済指標の発表など手掛かり材料に乏しい中で堅調な展開となりました。ただ、景気回復鈍化懸念に加え、金融緩和策の先行きに対する不安もあり、上値の重い展開が続きました。引け近くの時間帯にFRB(連邦準備理事会)議長の講演の中で景気回復鈍化には言及があったものの、金融緩和策に対して言及がなかったことが嫌気されて売られ、ダウ平均、ナスダック指数ともに軟調となりました。底堅さは見られるのですが、懸念や不安が根強いと言うことだと思います。

 QE2(量的緩和)終了が近づき、芳しくない経済指標の発表が多いなかで、FRBの次の手が注目されます。金融緩和政策を続けざるを得ないと思うのですが、どのような形で継続していくのか、さらなる緩和であるQE3が行われるのかどうかなどがみえてこないととりあえずは足元の状況に反応するしかないと言うことでしょう。ただ、FRBに対する信頼感は根強く、景気が悪くなれば何とかしてくれるとの期待もあり、ここからは底堅さもみられるのだと思います。

 個別にはインテルがアップルの主力製品の基幹部品の製造を受託すると伝えられて堅調となったのですが、他のハイテク銘柄に波及することなく、IBMやアップルは軟調となりました。景気敏感銘柄は値ごろ感からの買戻しもあって、GE(ゼネラル・エレクトリック)、キャタピラー、アルコアと総じて堅調、小幅に高くなりました。銀行株も資本規制強化が懸念されるものの、JPモルガン・チェースは堅調、バンク・オブ・アメリカは軟調ながらも底堅く、総じて落ち着いた動きとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となったのですが、外国人が買い越し基調と伝えられたことや円高一服となったことから底堅く、底堅さを確認して堅調となりました。積極的に買い上がるような材料にも乏しく、値ごろ感からの買いは入るものの上値も限定的となりました。前日に続き、主力銘柄に持ち高調整の買い、あるいはETF(上場投資信託)に絡むような買いが入り指数を下支えする動きとなりました。

 本日の日本市場は米国市場が底堅いながらも冴えない展開となったこともあり、引き続き方向感に乏しい冴えない展開となりそうです。引き続き政局の混迷が続いていることや世界的に景気鈍化が懸念される傾向にあり、復興需要に対する期待もまだ織り込むような状況でもなく、幕間つなぎ的に代替エネルギー関連銘柄などは物色されるのでしょうが、市場全体の盛り上がりは期待できず、冴えない展開となりそうです。

 日経平均がしっかりと9500円台まで戻れば底堅さを確認することになるのでしょうが、本日も軟調となり9500円台を回復しないと逆に9500円〜600円水準が上値と認識され、下値9200円〜300円水準を試すことになるのでしょう。9500円台を回復してくれば底堅さを確認して買戻しを急ぐ動きなどがみられ、これまで通り、9500円〜600円水準が下値のもみ合いの中での動きとなってくるのだと思います。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.