値ごろ感からの買いが入り堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月07日 16時26分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場は軟調となったのですが、日本市場は売り先行となったものの、昨日の大幅下落で米国株安や円高を嫌気するような動きを織り込んでいることもあり、底堅い展開となり、底堅さが確認されると買い戻しや値ごろ感からの買いが入り堅調となりました。政局の混迷や原子力発電所問題などに好感するような動きがあったわけでもなく、買い急ぐような動きはなかったのですが、持高調整の買い戻しなども入ったものと思います。節目とみられる9200円〜300円水準を試す動きとなったことで、達成感からの買い戻しも入ったものと思います。

 証券会社に対する規制がきついと言う話を昨日のコラムで述べたところ、友人などからも本当に営業活動が出来ないと言う声が聞こえて来ました。当局の対応も株式投資に対して否定的ともとれる対応であり、今や対面の営業でも「株を勧める」などと言うことは死語になりつつあります。その一方でいまだに「○○円を1000万円にする」と言う類の話はインターネットや雑誌などで盛んに宣伝されており、整合性がないような気がします。

 インターネット証券が主流になってからと言うもの、証券会社の役割が変わってきていることも事実です。昔であれば証券会社を選ぶ理由が「信頼できる会社だから」とか「営業マンが信頼できる」、あるいは「情報がしっかりとしている」などと言うことでしたが、今や情報はタダで手に入るもの、そして、「信頼できる」と言うことも「信頼できるシステム」と言うことや「手数料が安い」と言うことで選ばれているような気がします。

 株式の事、そして株価の動きなどが分かっていないと昔は「信頼される証券マン」にはなれず、情報もしっかり持っていて、対応もきちんとしている証券会社が「信頼される証券会社」であり、そうした基準で選ばれていたのですが、今は、投資する株も何をしている会社でどのように儲かっているのかもわからずに選ばれ、証券会社も単純に「使える機械」として選ばれているような気がします。我々証券会社の人間はもっと「他の奴とは違う」と言うところを見せなければならなくなったのですが、そうすると今度は当局から規制されると言うジレンマに陥っています。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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