目指すは豆乳の“牛乳化”――紀文食品『調製豆乳』コンビニ、ヒット商品の理由(2/2 ページ)

» 2011年06月07日 08時00分 公開
[笠井清志,Business Media 誠]
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目指すは“豆乳の牛乳化”

 紀文食品の『調製豆乳』には、200ミリリットルと1000ミリリットルの2種類のパッケージがある。量販店では1000ミリリットルのパッケージが主流だが、コンビニで1000ミリリットルのパッケージを置いている店は20%ほどにとどまる。

 しかし、コンビニの発注においては、全国で推奨される商品となっている。それは『調製豆乳』のリピート率が高く、1週間に2本以上飲むヘビーユーザーも多いからである。ヘビーユーザーに認知されれば1000ミリリットルのパッケージでも売れ、特に地方では人気が高いようだ。量販店の代わりにコンビニでデイリー商品を購入する来店者が多いからかもしれない。

 紀文食品では今後、「豆乳を身近に感じられるような商品展開を行っていきたい」と考えているようだ。

 豆乳は大豆固形分(水分を除いた大豆の成分の量)の割合によって、「無調整豆乳」(大豆固形分8%以上)、「調整豆乳」(大豆固形分6%以上)、「豆乳飲料」(果汁入りは大豆固形分2%以上、それ以外は大豆固形分4%以上)の3つに分けられる。飲みやすい豆乳飲料から入ってもらい、次に調整豆乳、そして無調整豆乳へのシフトを狙っているようだ。目指すは“豆乳の牛乳化”である。

著者プロフィール:笠井清志

JR東日本リテールネット・コンビニエンス営業部長。ゼネコン、コンビニチェーン本部、コンサルティング会社を経て現職。小売業・サービス業を中心に多店舗展開チェーン(特に駅ナカ・空港等の限定商圏マーケティング)を中心に活動。NEWDAYSが2007年度から3年連続で1店舗平均日商でセブン-イレブンを抜いた実績のサポートを行う。月刊コンビニ(商業界)での執筆、海外メディア「Financial Times」等取材実績多数。著書に『コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー』(どちらも同文館出版)がある。経営相談・講演・執筆等の依頼はこちら(kiyoshi1025@gmail.com)まで。


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