「リクシルって知ッテル?」って知っテル? 7本連続CMの舞台裏郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2011年06月03日 11時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

社名と疑問を1つにする

 この“知ッテル?”コピーはどこから?

 「TUGBOATさんからです」と石橋さん。

宣伝プロモーション部の石橋和之さん(左)と庭野洋美さん(右)

 トステムのインプラスCMからの付き合いであるクリエイティブエージェンシーのTUGBOATからの提案は、「リクシルって知ッテル?」で俳優を伝言ゲームでつなぎ、お互いに回答が得られないけれど、だんだん話題が“住む、暮らす、生きるリクシル”と住まいに落ちていくものだった。

 「リクシルって何?」と思った人はWebサイトへ誘導。プロモーションサイトでは、知ッテルか知らないかの2択がしつこく続き「本当の本当に知ってます?」と畳み掛けてくる。社名と疑問を1つにする仕掛けが面白い。

 演技派の俳優の起用もキモ。堤さん、岸部さん、大森さん、美人女優に加えて受賞歴多数の若手女優も登場するそうだが、あれ、堤真一さんって、トステムのインプラスCMで「ああ暑っ」と冷や汗をかいていませんでした?

 「イメージがだぶらないか悩んだのですが、あのシチュエーションは覚えていても、同じ会社ではないし、物語も役職も一新されます。ブランドをつないでいくイメージもあるのでいいと判断しました」

 同じ理由でTOEXのCMの大橋のぞみさんも最後のナレーションで登場する。

 7週間でリクシルを知ってもらった後は、どんな展開があるのだろうか?

 それは顧客に統合するメリットを伝えることだ。グループをまたがる生産拠点の統廃合、物流も混載配送で低コスト化、営業も一本化で顧客対応をシンプルにする。ショールームも家トータルでの商品展示が可能となり、提案活動の場として機能させやすい。「住まいのすべてを5社のトータルソリューションで」を打ち出していくと考えられる。認知させ、そして深堀りである。「●●と××は1つになりました」という統合告知だけの広告を脱して、広告が事業戦略と一体になった。

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