米国株が大幅安や政局の混迷を嫌気して売られ大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月02日 16時19分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が大幅安となったことや政局の混迷を嫌気して売り先行となりました。外国人は小幅買い越しと伝えられたのですが、特に材料視されることもなく、主力銘柄を中心に見切り売りが嵩んで売り気配から始まるものが多くみられるなど総じて軟調となりました。低位株や小型株の値動きの良い銘柄、また、いわゆるディフェンシブ銘柄の一角に堅調なものがみられましたが、指数を下支えするほどでもなく、後場になって総理大臣が辞任の方向と伝えられても特に市場への影響はなく大幅安ながらも指数は小動きとなりました。買い戻しを急ぐ材料はもちろんないのですが、売り急がなければならない理由も特になく、持高調整の売り買いも一段落となったことで方向がみえにくかったのだと思います。

 最近は値動きのあった銘柄のニュースを取り上げようとしても動きが素直でないような気がします。はっきりとわかり易いニュースで大きく上げたり、下げたりと言うことはもちろん多いのですが、特に材料がない中で値動きだけをみて売り買いされるものや逆に好材料や悪材料とみられるニュースにも反応が鈍いようなケースも多い感じです。何をみて売買しているのか非常に不思議な感じですが、あくまでも目先の値動きばかりをみているような気がします。ただ、いつもこのコラムで述べているように大きな流れを掴んでおかないと目先の動きに連れて右往左往しても決してもうかるものではないと思います。

 何がどうなったらこうなる、と言うような見方で関連付けてみておかないと単に値動きばかりを追っているとどこで買ってどこで売ればいいのかなどがどうしても後追いとなることが多いのではないかと思います。自分が相場のどういったタイミングで参加したのか、と言うこともしっかりと把握しておく必要があると思います。まだ下がる可能性もありそうだが「底値圏だから」と言うことで買ったのであれば、少し下に振らされたからと言って慌てふためく必要もないわけですし、逆に「もう少しだけ上値があるかもしれない」と思って買いに出たのであれば、少し下がったところでも「下落の始まり」と疑ってかかり、見切ることも必要かもしれません。

 今の政府と同じように行き当たりばったりで、何故上がっているのかわからない銘柄にむきになってついて行ってみたり、誰かが良いと言っていたからと言うことでもう「良い銘柄」と言った人が売りに回っているのにもかかわらず買い急いでみたりと言うこともあるかもしれません。特にバブル期にはよくみられたのですが「今買わなければならないっ!」と思うような時はほとんどの場合が買い場ではないと言うことが多いものなのです。決して慌てず、騒がず方向感を見定めてしっかりと売り買いするようにしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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