米国株が大幅安や政局の混迷を嫌気して売られ大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月02日 16時19分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9555.04円 ▼164.57円
売買高 20億7081万株
売買代金 1兆3618億1300万円
値上がり銘柄 191銘柄
値下がり銘柄 1390銘柄
騰落レシオ 86.02% ▼5.71%

日経平均

米国株が大幅安となったことや政局の混迷を嫌気して売られ大幅安

米国市場が大幅下落となったことから売り先行となりました。足元では政局の混乱が見られ、世界的な景気動向も懸念されるなかで売り急ぐ場面もありました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたことや持高調整の売り買いが一巡となったことから寄り付きの売りが一巡となったあとは底堅さも見られ、いったん底堅さが見られると為替が円安に振れたこともあって大幅安の水準なのですが底堅さも見られました。日経平均も節目とみられる9500円水準で底堅さが見られたことで目先筋の買い戻しも入ったものと思います。

 後場に入ってからは内閣不信任決議案の採決が注目されましたが、その前に総理大臣が辞任を認めたことで、特に材料視されなくなってしまいました。現状と何も変わらず、相変らず何も決まらないと言うことで市場への反応もなく、指数は小動きとなりました。原子力発電所事故の問題も進展するでもなく、目先の変化を期待していた向きに失望と映ったのかもしれません。何か変わると期待されていたものが変わらないとなると次の材料を探して目先の需給に振らされながら右往左往することになりそうです。

 小型銘柄も見切り売りが嵩んで軟調となるものが多く、東証マザーズ指数は大幅下落となりました。それでも日経ジャスダック平均やジャスダックTOP20は幕間つなぎとして買われるものも見られ、軟調と言うに止まりました。先物は相変らず方向感を持ってまとまった売り買いが断続的に見られると言うようなことはなく、散発的に手仕舞いの買い戻しや見切り売りが見られて指数を動かす場面があると言う状況でした。特に指数を方向付けるような仕掛け的な動きもなくあくまでも目先の小掬い商いが中心となっていたものと思います。

 政治要因で買い上がるようなことはこれまでもほとんどありませんでしたが、本日も変化を期待していた向きには肩すかしとなったのではないかと思います。「こんな時期に総理大臣が変わるなんて」と言う方も多いようですが、こんな時期に何も進まないことにいら立つ人も多いのではないかと思います。復興のために何を今すべきか「皆で考えよう」と言うだけでは企業も先に進まないのと同じで、日本もしっかりと方向感を持って何から始められるのかを考えながら復興の道を進んでいかなければならないと思います。その道筋が見えるまでは株式市場も冴えない展開が続きそうです。

テクニカル分析

日経平均

 基準線に上値を押さえられて雲のねじれでのサポートを確認する格好となっています。遅行線は日々線に絡みながらの動きで方向感はみられず、雲のねじれから下に行くのか反発となるのかで今後の方向が決まりそうです。RSIもストキャスティックスも上値余地もあって上昇となっているのですが、ストキャスティックスは高値圏でもあり、ますます方向感がみられない状況です。

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