レディー・ガガに学ぶ、革新的なビジネス戦略(2/2 ページ)

» 2011年06月02日 12時20分 公開
[SankeiBiz]
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 クップ氏の言葉通り、5月23日に日本を含む全世界で同時発売された最新アルバム「ボーン・ディス・ウェイ」は昨今のCD不況にもかかわらず、全世界で大ヒットしている。米音楽誌ビルボード(電子版)によると、米では既に45万〜75万枚、英では21万枚を売った。さらにK−POPに押され、洋楽不振といわれる日本でも英より多い50万枚の売り上げを記録したという。

 同じ日、ネット通販のアマゾンが電子盤を99セント(約80円)という超低価格でダウンロード販売したところ、アクセスが殺到してサーバーがダウン。(5月)26日、販売を再開する騒ぎもあった。

SNS駆使で革命

 この出来事は伝統的なレコード会社とネット企業との間にしこりを生じさせる結果となったが、クップ氏は「彼女のビジネス戦略のおかげで、有料配信や違法ダウンロードの急増に苦しむ音楽業界が息を吹き返した」と前向きに評価している。

 自身を「マザー・モンスター」、ファンを「リトル・モンスターズ」と呼び、SNSの活用でファンとの親近感や絆(きずな)を強め、ファン層の拡大を図るガガ。伝統的な音楽産業に加え、一般企業の販売戦略にまで変革を促(うなが)す真のモンスター(怪物)ともいえそうだ。

レディー・ガガ

1986年3月28日、米ニューヨーク州生まれ。本名はステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ。ニューヨーク大芸術学部時代に音楽を本格的に学び、デビュー作「ザ・フェイム」(2008年)はシングル「ポーカー・フェイス」の爆発的ヒットにより全世界で1200万枚を売る。米経済誌フォーブスは今年の「最も影響力のある有名人」の1位に選んだ。


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