昨日の大幅高の反動から冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月01日 16時34分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 昨日の反動もあり米国株が大幅高となった割には冴えない展開となりました。為替も海外でいったん円安に振れる場面もあったのですが円高気味となり、月替わりと言うことで物色意欲もみられるかと思ったのですが、持高調整の売り買いが一段落、買い戻しも一服となったことで指数の上値が重くなりました。昨日まで売られていたものに反発となるものもみられたのですが、指数を押し上げるような動きもなく終始冴えない展開となりました。

 昨日の大幅高で相場が変わったなどと言う向きもありましたが、本日の動きをみると全く変わっていないような感じです。昨日の大幅高も売買高が膨らんだことで相場の流れが変わったとみたのかもしれませんが、これまでの目先の需給要因での動きと言うことには全く変わりがないような感じです。懸念材料にも全く変化はなく、国内では政局不安、中国など新興国の景気鈍化懸念、欧州の金融不安、そして米国の景気回復鈍化懸念など月が変わったからと言って変化があるようなものでもありません。

 目先の需給で変わったとすれば、5月のファンド筋の決算が終わり、持高調整の売り買いが減ると言う可能性があり、新たに持高を調整するにしてもこれまでの物色などと銘柄が変わって来る可能性もあります。今朝の銘柄ニュースで取り上げた銘柄や先週にもいくつか取り上げた中にも業績面からの不安が少なく、買われ過ぎていたわけでもなく、4月から売られ続けているような銘柄も散見されます。こうした銘柄が月が変わったからと改めて割安感が見直されるようなことはあるのかもしれません。

 逆に特に理由のない中で手仕舞いの買い戻しとみられる買いが入って値を戻していたような銘柄は業績面での裏付けに乏しいものも多く、ここからは冴えない展開となる可能性もありそうです。指数に大きな変化がみられると言うよりは個別に変化がみられる可能性があるのではないかと思います。ですから、変化があるからと言って必ずしも昨日の延長のように継続的に上昇すると言うことでもなく、逆に指数がいったん下押す、あるいは指数に大きな変化がないなかでの相場の変化がみられるのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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