欧州金融不安の後退に月末の買い戻しが入って大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年06月01日 08時42分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9693.73△188.76

<TOPIX>838.48△14.80

<NYダウ>12569.79△128.21

<NASDAQ>2835.30△38.44

<NY為替>81.53△0.58

欧州金融不安の後退に月末の買い戻しが入って大幅高

 欧州で金融不安が薄れたことや月末の手仕舞いの買戻しもあって堅調となり、午後には買戻しを急ぐ動きも見られて大幅高となりました。朝方発表されたS&Pケース・シラー住宅価格指数が2009年4月につけた金融危機後の最安値を更新、消費者信頼感指数やシカゴ購買部協会景気指数も市場予想を大きく下回り、上げ幅縮小となる場面もありましたが目先の需給好転から買いが膨らみ大幅高となりました。

 3連休明けのヘッジ売りの買戻しも入って大幅高とはなったのですが、引き続き景況感などの経済指標はQU2(量的緩和)終了後を懸念されるような芳しくない数字となっており、逆に金融緩和が継続するとの期待から株式市場は堅調となっているようです。今週は主要な経済指標の発表も多く、ここから経済指標に敏感に反応するものと思われます。景気の回復が続く中で、金融緩和継続期待が続くのかどうかが注目されます。

 個別には病気療養中の最高経営責任者(CEO)が新サービスを公表すると発表したアップルが高く、新型のパソコン専用のMPU(超小型冤罪処理装置)を製品化すると発表したインテルも高くなりました。一方、4−6月期の芳しくない見通しを発表したノキアが大幅下落、連れてリサーチ・イン・モーションも軟調となりました。欧州金融不安が薄れたことや月末の買戻しもあってバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株が高く、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど景気敏感銘柄も買戻しを中心に堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は月末の「お化粧買い」が入り大幅高となりました。特に材料が出たと言うことでもなく、国債格下げのニュースから円安となったことや持ち高調整の買戻しが入ったことなどから、指数を押し上げたものと思います。政局の混乱や世界的な景気鈍化懸念もあるのですが、目先の需給に振らされて買い急ぐ動きもみられました。売られすぎとなっていた銘柄も多かっただけに米国市場が休場となっていることで、「鬼の居ぬ間に・・・」と言うことになったのでしょう。

 月替わりと言うことや米国市場が堅調となったこと、円安となったことから本日の日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、昨日の大幅高である程度米国株高などを織り込んだ格好となっており、上値も限られそうです。それでも代替エネルギー関連銘柄などテーマに乗った銘柄を物色する動きに加え、持ち高調整の売りに押されていた主力銘柄の反発が見られれば目先的な底入れ感が強まり、買い戻しを急ぐ動きも出て来るのかもしれません。出遅れ感が強い銘柄が物色されるのかどうかが注目されます。

 日経平均は9500円〜600円水準での底堅さが確認されたものと思われます。まだ売られ過ぎの修正などで堅調な地合いは期待されますが、一気に上値の目処とみられる9800円〜900円水準を試すと言うよりはまだ9500円〜600円水準での底堅め、と言う雰囲気でないかと思われます。いずれにしてもまだ9500円〜600円水準を下値にして9800円〜900円水準を上値とするようなもみ合いの中での動きとなりそうです。

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