月末の持ち高調整の買い戻しや「お化粧買い」が入って大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年05月31日 16時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 売られていた銘柄が買われ、買われていた銘柄が売られるような展開で大幅高となりました。米国市場が休場で月末の指数に絡む売りも懸念されたのですが、逆に期待されていなかった「お化粧買い」とみられるような買いや値ごろ感からの買い戻しも入り指数を押し上げました。国債の格下げ見通しが示されて円安に振れたことで輸出株の買い戻しを急ぐ動きもありました。朝方発表された鉱工業生産指数先行きが強気となっていたことを取り沙汰する向きもありますが、あくまでも目先の需給要因、持高調整の買い戻しが主体と思われます。

 最近の相場でたまに見られるのですが特に材料のないなかで買い上がる動きが見られたり、売り急ぐ動きが見られます。昨日まで太陽光発電関連銘柄が買われているなかで見向きもされなかったものが今日になって株価が動きだすと「太陽光発電関連銘柄」として取り沙汰されたり、決算動向が芳しくないと新聞で報じられても堅調となるものが見られたりと、目先の材料などから見るとちぐはぐな雰囲気です。

 目先の値動きが良い銘柄に皆で飛び乗るような動きも見られ、ちょっとした材料で大きく値を飛ばすものなども散見されます。いつもこのコラムで述べていることなのですが、あくまでも目先的な値動きや月末要因と言う需給だけでの動きであり、ここで底入れとなったとか、相場全体の方向が見えて来たと言うことでもないでしょう。大きな流れとしてはまだまだ相場全体の方向感はないものと思われます。

 突然動き出す相場に乗った方が良いのかどうかは大いに悩むところですが、最近の相場をみているとまだ大きな流れとしての方向感が見えたわけでも、大きな流れが変わったわけでもなく、あくまでも目先の需給要因で指数が振らされていると言うことだと思います。目先的な動きとして割り切って飛び乗るのであればそれはそれで良いと思いますが、超短期と割り切るのであれば儲けても損をしても超短期で勝負を決めることが大切だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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