月末の持ち高調整の買い戻しや「お化粧買い」が入って大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年05月31日 16時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9693.73円 △188.76円
売買高 22億9177万株
売買代金 1兆4911億9600万円
値上がり銘柄 1342銘柄
値下がり銘柄 203銘柄
騰落レシオ 91.06% △2.83%

日経平均

月末の持ち高調整の買い戻しや「お化粧買い」が入って大幅高

 米国市場が休場と言うこともあり、朝方発表された鉱工業生産指数などの経済指標の発表にはほとんど反応はなく、様子見気分の強いなかで売り先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、月末での指数構成銘柄からの除外に伴う売りに対する懸念が薄らぎ、売り一巡後は底堅さを確認して戻り歩調となりました。その後は「お化粧買い」への期待もあって値ごろ感からの買いや買い戻しを急ぐ動きで指数は大幅高となりました。

 後場も国債格下げ見通しが伝わり円安に振れるとさらに買い戻しを急ぐ動きがみられて一段高となりました。たださすがに節目とみられる9600円水準を超えて来ると買い急ぐ動きも一段落となりました。特に買い急ぐ材料があったと言うことでもないのですが、月末の「お化粧買い」で指数を押し上げたものと思います。昨日まで買われていたものが売られ、売られていたものが買われると言うような感じでした。いったん膠着感も出たのですが、「お化粧買い」に加え、底堅さを確認して買い戻しを急ぐ動きなどもあり、9700円近くまで一気に戻し高値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も堅調なものが目立ちましたが、主力銘柄が買われるなかで比較的上値の重い展開となりました。特に昨日まで買われていた太陽光発電関連銘柄などが手仕舞い売りに押されて軟調となりました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20は揃って堅調となりました。先物はまとまった買いが散発的に見られ指数を押し上げる場面はあったのですが、追随して最後まで買い上がるような動きでもなかったのですが、最後まで散発的ではあるのですが、まとまった買いが見られ、指数を押し上げた面もありました。

 本日も手掛かりに乏しく方向感のない展開となるのかと思ったのですが、予想に反して月末の「お化粧買い」が入り大幅高となりました。指数に絡む売りが警戒されるなかでお化粧買いがみられ、指数が大きく上昇となったところをみると、ここでいったんは持高調整の売り買いも一巡となった感もあります。明日からの実質6月相場入りでしっかりと業績回復を織り込むような動きになる可能性もありそうです。今週は米国での主要な経済指標の発表もあり、また中国の景気動向なども気になるのですが、目先の需給が好転するのであれば、指数も一段の水準訂正となっても良いのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

 遅行線が日々線に沿って上昇、日々線は雲を抜けて「三役好転」となりました。基準線には上値を押さえられているものの、RSIはまだ下値模索、ストキャスティックスは上昇が続いて上値余地もあるので、遅行線が日々線に絡みながら堅調な展開となるのかもしれません。雲のサポートを確認しながら強含みの展開となるのでしょう。

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