2つの老舗メゾンが実現した究極のボトルクーラーとは?(4/4 ページ)

» 2011年05月30日 22時49分 公開
[松浦明,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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――このボトルクーラーを初めてご覧になっていかがでしたか?

オリヴィエ・クリュッグ その日のことは今でも鮮明に覚えているのですが、その日は日曜日であるにも関わらず驚くほど早朝の新幹線に乗せられて(笑)、降り立った燕三条からはまたさらに車で移動して到着したのが玉川さんのご自宅でした。絵に描いたような伝統的な美しい日本家屋でして、すでに好奇心を掻き立てられている私を玉川さんが出迎えてくださいました。そうして彼が招き入れてくれた空間で真っ先に目の前にしたもの、まさに、筆舌に尽くしがたいほどの素晴らしい光景でした。

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 まさに、今まで見たこともないボトルクーラーとの出会いに私はしばらく衝撃を受けていたのですが、その半面、クリュッグのボトルがそのボトルクーラーの中であまりにも自然にたたずんでいることに驚きを覚えました。あたかも、今までずっと一緒にそう在ったかのような不思議な感覚です。このマッチングの素晴らしさ、相性の良さはまさに、私たちが今回このコラボレーションのストーリーを語る上で外せない一番重要な部分ではないかと思います。

――実際にそのボトルクーラーを手に取り、使用されてみた感想はいかがでしたか?

オリヴィエ・クリュッグ タイムレスな完璧な美しさだと感じました。シンプルさの中に存在する深みのあるこの曲線は、クリュッグの世界観を忠実に表現していますし、エレガントな面立ちはクリュッグの味わいそのものを具現しています。

 その一方で、保温性の面など機能的にも非常にすばらしい完成度だと思います。サイズも形も機能も、クリュッグのボトルに自然とぴったり寄り添うように作られている。まさにクリュッグのための特別な形だといえます。

 そして、それぞれを別々にして置いて見ても、各々が十分に洗練された美しい形状でしっかりとしたキャラクターを持っているという点も素晴らしいことだと感じます。

――「機能的にも優れている」とありましたが、もう少し詳しく教えてください

オリヴィエ・クリュッグ 第一に、保冷性に優れているためとても良い状態で温度管理ができます。普通のボトルクーラーは氷で冷やしますが、クリュッグのようなシャンパンや偉大なワインは氷を使って冷やすと冷え過ぎてしまい、本来表現されるべきぶどうの繊細さや複雑な味わいが損なわれてしまうことが多いのです。

 その点、このボトルクーラーは適度に冷やしたボトルをそのまま温度管理することができるので、ベストな状態でキープしながらサーブすることができます。ちなみに、このクーラーは例えば未使用時にそのままテーブルに置いてあったとしても、まるで花器やオブジェのような感覚です。

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――日本の伝統文化や職人技についてオリィヴィエさんにうかがいます。例えば現代であれば携帯電話に至るまで、日本には精密なものづくりの文化がありますが、どう捉えていらっしゃいますか?

オリヴィエ・クリュッグ まさに誇るべき、世界有数の文化だと思います。日本の伝統技術あるいは伝統工芸というものは、決して過去のものではなく今もまだ日々の生活に根ざしています。そういう例は世界の他の国を見ても非常に稀なケースではないでしょうか?

 私自身も“日本の伝統技術”は、イコール“過去”ではないという印象を持っています。“伝統工芸”とはいえ、決して過去には属していない。玉川さんのように、伝統は守りつつも、同時にたゆまぬ革新を続けて未来に向けて門戸を開いているというイメージが私の中にはあります。そういう観点でもクリュッグが日本の文化に深く共感する部分が多いのだと思います。

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 このボトルクーラーはご覧のとおり取っ手のない形状ですから、持ち運んだり、人から人へと手渡す際に、自然とやさしく両手で包み込むことになります。そういう所作を自然と生み出し、そのエレガントなたたずまいや感触など、さまざまな五感を通じて相手にもてなしの心が伝わるような、そんなボトルクーラーとして愛されてほしいと思います。

 さらに長きにわたってクリュッグと玉川堂さんが育んできたモノ作りへの想いを通じて、クリュッグを愛してくださる方たちと歓びをシェアする大切なツールになっていってほしいと、そう強く願います。

お問い合わせ:

MHD(モエ ヘネシーディアジオ)tel. 03-5217-9738


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