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» 2011年05月30日 22時49分 UPDATE

2つの老舗メゾンが実現した究極のボトルクーラーとは? (1/4)

「クリュッグ」×「玉川堂」。2つの老舗メゾンが実現した究極のボトルクーラーの物語。シャンパーニュの王者としてしられるクリュッグが、2011年から新たに取り組んでいるプロジェクトを聞いた。

[松浦明,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 シャンパーニュの王者としてしられる「KRUG(クリュッグ)」が、2011年から新たに取り組んでいるプロジェクトが「究極のボトルクーラーづくり」。そのパートナーとして世界中の候補から選んだのは、日本の無形文化財である鎚起(ついき)銅器の「玉川堂」だ。

 1843年(現在6代目)の創業以来、木樽を用いた職人的な醸造方法を貫く老舗シャンパーニュメゾン「クリュッグ」と、1816年創業(現在7代目)の歴史・伝統・職人技を誇る「玉川堂」。日仏の老舗メゾンがどのように巡り会い、今回のコラボレーションを実現したのか。完成に至るまでのエピソードを交えながら、両メゾン当主の「究極のボトルクーラーづくり」にかける想いを聞いた。

エキサイトイズム クリュッグ鎚起銅器ボトルクーラー サイズ:側面/142×146×248ミリ(幅×奥行き×高さ)、底/114×114ミリ(幅×奥行き)、重量790グラム
  • オリヴィエ・クリュッグ:「KRUG」6代目当主
  • 玉川基行:「玉川堂」7代目当主
  • 谷川じゅんじ:クリエイティブディレクター

――「究極のボトルクーラーづくり」がクリュッグの2011年新プロジェクトとして立ちあがった、きっかけをお聞かせください

オリヴィエ・クリュッグ 究極のシャンパンには究極のボトルクーラーが必要だという、非常にシンプルな理由からです。そもそも、私にその想いが湧き上がったきっかけは、私の曾祖父の祖父、つまり初代クリュッグ(ヨハン・ヨーゼフ・クリュッグ)が残した偉大なシャンパンづくりについての哲学的な記録の中にあります。

 1843年にクリュッグを創業した彼は、その記録の中でぶどうの選別方法や、発酵・ブレンド比率、熟成に関してなど、彼のシャンパンづくりにかける想いや哲学、ノウハウがこと細かにつづっているのですが、彼はさらに「偉大なシャンパンを作るためには、とにかくすべての細かなディテールにこだわりを持て。あらゆる細かな作業を大切に、ひとつひとつ丁寧に重ねていかなければ偉大なシャンパンに到達することはできない」と記しています。その記述から私が想いを巡らせたのが、ボトルクーラーでした。

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 なぜなら、偉大なシャンパンやワインはその複雑さゆえに、適切な温度管理のもとにサーブしなければその素晴らしさを100%伝えることはできない。私自身、クリュッグは特別なシャンパンだと自負していますが、自らの体験をもってもそれを実感しています。ですから、どうサーブするのかも、作り上げたシャンパンのクオリティの一部として考え、ベストな状態で楽しんでいただくための方法も含めてトータルで提供しなければならないと考えたのです。

――そのボトルクーラーが“究極”でなければならない理由は何だったのでしょうか?

 クリュッグを愛してくださる方々、いわゆる“クリュギスト”といわれる愛好家の方たちは、クリュッグを自分の世界の一部であってほしいと願う方たちだと思います。そういう方たちはせっかくクリュッグを飲むのならば、当然ながら一番ベストな状態で飲みたいと思うわけです。そういう意味で、単なるボトルクーラーではなく、クリュッグのためだけにある、究極の、唯一無二のボトルクーラーが必要だと思ったからです。

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――今までにもボトルクーラーづくりに挑戦されたことはあるのですか?

 実は、プロポーザル(提案)そのものは過去にも100件近くいただいてきました。その多くがデザイナーの方たちからの持ち込み企画で、中にはもちろん素晴らしいデザインもありました。しかし、私が心を動かされるようなプロポーザル、つまり今回谷川さんのチームや玉川堂さんが実現してくれたこのボトルクーラーほどのクオリティを感じさせる提案に出会えてなかったというのが事実です。今ここに実現したクーラーはある意味、私たちが互いに何世代にもわたって培ってきた感情や文化を、モノを通じて人々に伝えてくれる“アート”のような存在だと思います。

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