政局の混迷を嫌気して冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年05月30日 16時18分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場は堅調となり、為替も落ち着いていたのですが、相変らず買い手掛かりにも乏しく売り先行となりました。外国人も少ないながらも買い越しと伝えられたのですが、特に材料視されることもなく、政局の混迷や大震災の復興の見通しがみえないことなどから手掛かりに欠け、冴えない展開となりました。目先筋の買い戻しで指数は堅調となる場面もありましたが、方向感はいっこうにみえず、9500円水準での下値固めと言う感じです。

 あいかわらず相場の方向感がみられません。日経平均は9500円を割り込むところでは大きく売り込まれることもなく、底堅さもみられるのですが、先行きの見通しが立たないことで相場全体の方向感がみえず、また、日本の先行きに対しての不安が根強く、物色対象となる銘柄も何を買って良いのかわからないと言う状況ではないかと思います。今の政権も「行き当たりばったり」の政策で全く何をやりたいのかも見えず目先の金勘定ばかりをしているようにみえます。

 規制を緩和するのか、強化するのか、金融を緩和するのか引き締めるのか、何をするにもお金が足りないと言うのはわかるのですが、だから何もせずに無駄遣いばかりをしているような気がします。今の政権で誰が何をしているのか、おそらく誰もわかっていないのではないかと思います。いわば無政府状態のようで、これでは投資の対象も目先の材料に反応するしかないと言うことになってしまいます。

 本来の証券投資、株式投資と言うことであれば、日本がこの先どうなるのか、ある程度方向性くらいはみえていないと投資のしようがないと言う感じです。何もかにも行き当たりばったりと言うのでは外国人の投資先としての日本は敬遠されてしまうのでしょうし、日本人でも国内への投資をする際に何をみて行けばいいのかわからないと言う状況です。電力会社の問題やエネルギー政策への方向性だけでも見えてこないと行けないのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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