好調な決算や設備投資期待から堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年05月27日 09時03分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9562.05△139.17

<TOPIX>827.08△9.34

<NYダウ>12402.76△8.10

<NASDAQ>2782.92△21.54

<NY為替>81.30▼0.66

芳しくない経済指標の発表で売り先行となるも、好調な決算や設備投資期待から堅調

 朝方発表されたGDP(国内総生産)改定値が予想を下回り、新規失業保険申請件数も予想を上回って雇用の悪化も懸念されたことから売り先行となりました。ただ、決算動向が好調な銘柄も多くまた、IT(情報技術)関連の設備投資は依然活発と伝えられたこともあってはいてく銘柄を中心に堅調な展開となりました。世界的な景気鈍化は引き続き懸念され、この日は商品相場も戻り一服、ユーロやドルも軟調となったのですが、特に問題されることもなく堅調となりました。底入れ感が強いというよりは売り急ぐ理由も特に見当たらないという雰囲気です。

 ダウ平均などの動きに底堅さもみられてきました。芳しくない経済指標の発表が多い一方で好調な決算も多くみられ、景気回復スピードを金融政策などにらみながら、新興国や欧州の景気動向をにらみながら調整しているという雰囲気です。ここから景気が悪くなるのか、良くなるのかと言えば「悪くはならない」と言う感じではないかと思います。足元の企業業績や経済指標に振らされながらも底堅い堅調な地合いは続きそうです。

 個別には予想を上回る決算を発表したティファニーが大幅高、新興国での伸びが大きく過去最高の年間売上高を記録したハインツも大幅高となりました。外部記憶装置(ストレージ)大手ネットアップが好調な決算を発表して買われ、IT関連の投資が引き続き好調となっていると言うことでヒューレット・パッカード(HP)やマイクロソフトなどが高くなりました。ただ、インテルやIBMなど利益確定売りや戻り売りに押されるものもみられました。欧州金融不安が一段落となったことからJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも買われました。エクソン・モービルやパブリック・ゴールドなど石油株、金鉱株は原油や金の先物価格が軟調となったのですが、堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や持高調整の売りが一巡したことから買い先行となり、外国人も買い越しと伝えられたことや値ごろ感からの買いも入って大幅高となりました。積極的に買い上がるだけの材料にも乏しかったのですが、ハイテク銘柄などを中心に売られすぎの修正もみられ、指数を大きく押し上げました。大幅高となったわりには何となく盛り上がりに欠ける展開でしたが、節目とみられる9500円水準での底堅さを示した格好となりました。

 米国市場は堅調となりましたが、為替が円高に振れたことや週末と言うことで手仕舞い売りなども嵩み上値の重い展開となりそうです。昨日は持ち高調整の売り一巡や主力銘柄への買い戻しもあって大幅高となりましたが、その反動もあり手仕舞い売りに押されるのでしょう。昨日大きく値を戻したハイテク銘柄などに買い戻しが続くのかどうかというように目先の需給要因での動きとなってしまいそうですが、逆に持ち高調整の売り一巡感もあり底堅さも見られるものと思います。朝方の動きが本日の方向感を示すような展開になりそうで、その後は上値の重さを嫌気するのか、底堅さを好感することになるのでしょう。

 9500円台を回復、本日も9500円台を保ち、9500円水準での底堅さを確認することになりそうです。9500円〜600円水準での底堅めと言うことになるのかどうかが注目されるところであり、本日の相場9400円台前半まで下落となるようであれば逆に9500円〜600円水準で上値が重い、と言う雰囲気になってしまうのだと思います。9500円〜600円水準が下値と確認されれば9800円〜900円水準まで上昇、上値とされれば9200円〜300円水準まで下落となるものと思われます。

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