失恋はリスクではない、いい女性に出会えるまでのプロセス：既婚男性が、今から婚活するとしたら（5/6 ページ）

[中山順司，Business Media 誠]

大人になってからの価値観

佐々木：僕が価値観、価値観と口酸っぱく繰り返すのはなぜかと言うと、大人になってからの価値観は変えられないと分かっているからです。価値観は、長年のしつけ（家庭の方針など）や友人、親以外の大人との交流の積み重ねの結果なわけで、急に他人が治そうと思って、直せるものではありません。努力するだけ、無駄です。

中山：結婚してから、「僕が（私が）相手の価値観を変えてみせる」って意気込む人、ドラマのワンシーンでいたりしますが……。

佐々木：失敗する可能性が大じゃないですかね。

中山：価値観ではなく、生活習慣の不一致は気にしますか？

佐々木：気にしません。料理の腕とか、部屋を散らかすとか、生活習慣とかスキル的なものは一切気にしない。いくらでも身に着けることができるし、話し合いでどうにでもなる。結婚の成否にかかわるような問題じゃないです。

中山：他の取材でも、ほぼ同じことを言われました。

佐々木：そういえば、趣味の押し付け合いは、たいてい失敗します。趣味は理屈とか説得で好きになるものではないですよね？　単純にわけもなく好き、それが趣味です。ただ、価値観と異なるのは、趣味は違ってもぜんぜんかまわないという点です。

中山：私も妻とはなかなか趣味が合わず、苦労した（して）います。

佐々木：押し付け合いはうまくいかないですが、趣味の不一致は、結婚生活とは直接関係ないです。それぞれが勝手に楽しめばいいだけですよ。

中山：深刻に考えなくてもOKですね。

佐々木：結婚を意識する段階になってからの話ですが、本当にこの人と結婚しても大丈夫かな？　を判断するために、僕なら「将来、僕が独立しても、一生ついてきてくれる人かどうか」を見極めるかと思います。

中山：フリーランスとして独立されてらっしゃる経験による言葉、ですね。

佐々木：独立するということは、収入が不安定になることとイコールです。僕の収入が減って、生活水準を下げざるをえない状況でも、精神的に耐えられるか、変わらぬ愛情をもってくれるかどうか、ということですね。家計を工夫してやりくりする努力をお互いで楽しめるくらいの強さというか、たくましさは結婚には絶対必要だと思うんですよ。そういう女性かどうかは、注意して見極めようとするかなあ。