値ごろ感からの買いや商品相場高に連れて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年05月26日 08時40分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9422.88▼54.29

<TOPIX>817.74▼1.42

<NYダウ>12394.66△38.45

<NASDAQ>2761.38△15.22

<NY為替>81.96

芳しくない経済指標で売り先行となるも、値ごろ感からの買いや商品相場高に連れて堅調

 朝方発表された耐久財受注が予想を下回って減少したことや芳しくない住宅指標の発表もみられ軟調な始まりとなりました。ただ、値頃感からの買いが入り底堅さがみられると買い戻しや商品高を受けた買いもみられ堅調となりました。欧州金融不安も新たな懸念材料がみられず、一服となったことや世界的な景気鈍化懸念もここのところの冴えない相場で現状の段階までは織り込まれているものとして堅調となったものと思います。

 OECD(経済協力開発機構)も新興国を中心とした世界的なスタグフレーション懸念を指摘するなど、世界的な景気拡大の流れもスピード調整となった感もあります。ただ、アラブの民衆革命などにみられるよう生活水準向上からからの新興国を中心とした経済拡大、そしてそれに伴う先進国企業の業績拡大の流れは続いており、QE2(量的緩和)終了後を織り込んで堅調な展開となってくるのではないかと思います。

 個別には3−5月期の決算で純利益が前年同期比6%増となったコスコト・ホールセールは好調な業績にも関わらず1株利益が予想を下回ったとして手仕舞い売りに押されて軟調となりました。逆に2−4月期決算で最終損益が赤字と発表したトール・ブラザーズは赤字幅が改善したことが好感されて堅調となりました。商品相場が堅調となったことでアルコアなどの素材株やエクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなど金鉱株が堅調、景気鈍化懸念もいったん薄れたことや値ごろ感からの買いが入ってGE(ゼネラル・エレクトリック)やインテル、IBMなどが堅調となりました。ウォルマートは手仕舞い売りに押され、JPモルガン・チェースやバンクオブ・アメリカなど金融株も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安にも関わらず為替の落ち着きや商品相場の上昇もあって堅調な始まりとなりました。ただ、寄り付きの買いが一巡し、節目とみられる9500円をつけると持高調整の売りや手仕舞い売りが嵩んで軟調となりました。外国人も小幅買い越しと伝えられましたが、相場を押し上げるような買いもなく終始冴えない展開となりました。後場に入ると上値の重さを嫌気する動きも強まり、されに下げ幅を広げる銘柄もみられました。

 米国株が堅調、為替も落ち着いており堅調な展開が期待されます。ただ、OECD(経済協力開発機構)が2011年の日本の実質国内総生産(GDP)成長率がマイナス0.9%になると言う経済見通しを公表したことや世界的なスタグフレーションへの懸念を指摘したこともあり、上値も限られそうです。改めて下値を売り叩くような材料にも乏しいことから、底堅い堅調な展開が期待されますが、持ち高調整の売りがまだ続くのかどうかも気になるところです。ハイテク銘柄などの持ち高調整の売りが一巡となれば、指数を押し上げるように修正高となるのでしょう。

 節目とみられる9500円台を回復できるのかどうかが注目されます。日柄的にも値幅的にもここで回復とならないと下値の節目とみられる9200円〜300円水準を目指すことになるのでしょうし、しっかりと9500円台を回復してくれば、9500円〜600円水準を下値に9800円〜900円水準を上値にしたもみ合いの「誤差の範囲」と言うことになるのだと思います。

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