これからの「キーボード」の話をしよう郷好文の“うふふ”マーケティング(1/3 ページ)

» 2011年05月26日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 ヘルシーで疲れ知らず、発想がムクムクするキーボードが欲しい。

 先週掲載のコラム「『コンドーです、ロコンドーです』――Web靴販売の起業で常識を破れ」で紹介した、靴のオンライン販売のジェイドのオフィスには、いすの代わりにバランスボールに座る人がいた。ワケを聞けば、「姿勢が良くなる」「腰の筋肉が鍛えられる」「もちろんダイエットにもいい」という。

 でも、キーボード作業は疲れるからでもある。数時間ぶっ通しで叩くと、腕も手首も指もクタクタ。せめてボールで揺ら揺らして癒やされたい。

 ITが仕事の会社なので、「人間工学に基づいた」一風変わったキーボードもある。キーがボードの真ん中で2つに分離され、右手のキーエリアと左手のキーエリアが独立する。「最初は慣れませんでした」とシステム開発の人が言っていたが、色々と工夫をしているのだ。

 現代人、みなタイピング族。毎日10時間タイプする人も珍しくない。機種はノートPCやデスクトップPC、スマートフォンやタブレット型端末など色々だし、タイピングワークもさまざま。システム開発、カスタマー担当、コンサルタント、物語作家……。考えて打つ仕事もあれば、機械的に大量に打つ仕事もある。作業場所もデスクから過酷なサーバルームまで、カフェや駅もノマド(放浪)ワーカーの仕事場である。

 タイピングスタイルも色々。手を丸くする人、平らにして打つ人、腕を伸ばして姿勢の良い人もいれば、曲げてヒジを張って屈む人もいる。スマートフォンでは両手派・片手派あり、iPadではちょんちょん打ちでご苦労さま。

 これだけ色々なのに、キーボードはどれも似たり寄ったり。選択ポイントもキー配列やキーピッチ、パームレストやバックライトの有無くらい。タイピストやタイプ仕事がこれだけ多様化しているのに、ちょっと顧客目線が足りない感じもする。そこでユニークなキーボードにヒントを探してみた。

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