世界的な景気鈍化懸念が根強く引き続き冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年05月25日 08時37分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9477.17△16.54

<TOPIX>819.16△1.48

<NYダウ>12356.21▼25.05

<NASDAQ>2746.16▼12.74

<NY為替>81.96△0.30

景気指標の悪化もあって世界的な景気鈍化懸念が根強く引き続き冴えない展開

 朝方発表された新築住宅販売が予想を上回って好調となったことや前日の大幅下落の反動から買い先行となったもののその後発表された景気指標が予想を下回ったことなどから売り直されて軟調となりました。ユーロが堅調、商品相場も堅調となったことで信用収縮懸念はいったん薄れたものの、欧州金融不安も依然として根強いことや世界的な景気鈍化懸念、そしてQE2(量的緩和))終了を織り込むように軟調な地合いが続いています。

 大きく売り込まれることはなかったのですが、商品相場などが堅調となったわりには冴えない展開となりました。実際に企業業績が落ち込んだとか消費が鈍化したと言うことではなく、信用収縮懸念や新興国のインフレ懸念からの景気拡大鈍化などが心配で積極的に買い難く、実際にファンド筋などの信用収縮からの手仕舞い売りなども出ているのではないかと思います。QE2後を織り込むと底入れ反転も期待できるのだと思います。

 個別には新築住宅販売が好調となったことでレナーやKBホームと言った住宅関連銘柄は堅調な始まりでしたが、手仕舞い売りに押されて軟調となり、景気敏感銘柄のGE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラーは安く、インテルやIBMなどのハイテク銘柄も軟調となりました。商品相場が上昇したことでアルコアなどの素材株、エクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株は軒並み堅調となりました。欧州金融不安も根強いのですが、いったん信用収縮懸念も薄れたことから、バンク・オブ・アメリカが堅調、JPモルガン・チェースは軟調と金融株は売り急ぐ動きはなく、買戻しも入りまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は欧米株安などから売り先行となったものの前日の大幅下落の反動もあり、寄り付きの売りが一巡となった後は底堅い展開となりました。底堅さが確認されると買い戻しが入るものが多くなり、ここまで売りがかさんでいた機械株やハイテク銘柄の一角などが堅調となって指数を下支えとなりました。外国人も買い越しと伝えられたことや節目とみられる日経平均の9500円を割り込んで達成感もあったことから、手仕舞いの買い戻しもみられたものと思います。

 米国株は軟調ながらも底堅く、日本市場も底堅さがみられるものと思います。ただ、買戻しを急がなければならない材料も、慌てて買いつくような材料にも乏しく、見切売りや手仕舞い売りも多く、底堅いながらも上値の重い展開となりそうです。為替が落ち着き円高一服となった感があり、大震災の影響から再稼働を始める工場なども多くなっており、ハイテク銘柄などの反発は期待できるのではないかと思います。代替エネルギー関連銘柄への物色も続くのではないかと思います。

 9500円台を回復するのかどうかが注目されます。昨日の動きを見ていても、9500円を意識するところでは上値も重いと言う感じであり、本日も9500円水準で上値を押さえられてしまうようであれば、上値の重さを嫌気するような展開になり、さらに下値の目処とみられる9200円〜300円水準を目指すことになるのでしょう。9500円をしっかりと抜けて来るような展開になれば、9500円〜600円水準での底堅さを確認するようなことになり、9800円〜900円水準の上値目処を試す動きとなってくるのだと思います。

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