城さん教えてください。オススメの会社はどこですか?ちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(6)(3/3 ページ)

» 2011年05月25日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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人事部は保守的な人間が多い

ちきりんさん

ちきりん:日本の伝統的な会社の人って少しは変わってきているのでしょうか?

城:変わらない人は全く変わらないですね。保守的というか、官僚のイメージそのまま。「それは前例がないから、却下」といったことをよく口にしますね。

ちきりん:メーカーの場合、一度人事部に配属されると、ずっと人事部なんですか?

城:大企業の場合は一生人事部という人が多いですね。

ちきりん:城さんも富士通を辞めていなければ、今でも人事部にいた可能性が高いと。

城:でしょうね。メーカーに限らず、金融機関もそう。大企業は人数が多いので、人事を専門にする人材が必要なんですよ。なので大企業で働いていると、“純粋培養”で育ってしまう。

 人事というのはコスト部門。売り上げがないので、利益を生まない。会社の中ではあまり力をもっていない。そういうところで働いている人は、保守的な考え方の人が多い。前例を守ることに自分たちのイデオロギーがある、といった感じ。ただ20〜30代の人に話を聞いてみると、「変わろう」と考えている人が多いですね。

ちきりん:でも若い人でもずーっと保守的な組織にいると、染まっていきますよね?

城:染まるのが仕事なんですよ。

ちきりん:なるほど。

城:人事というのは会社の中でメインにはなれないんですよ。人事が音頭をとって会社を変えていったり、戦略を練ったり、といった力はもっていません。基本的には経営陣の意思を受けて、動くだけですから。

 もし日本企業が変わろうとするのであれば、それはトップの仕事でしょうね。

ちきりん:人事部というのは会社の中で、最も保守的だと思いますか?

城:ですね。本来、トップが音頭をとって「変えろ!」とリーダーシップを発揮しなければいけません。しかし人事部に期待されてしまう。その構図は政治家と官僚の関係に近いのかもしれない。政治家が「官僚はなにをやっているんだ!」と怒るところなんかはよく似ている。

 →続く

プロフィール:城繁幸(じょう・しげゆき)

 人事コンサルタントを務めるかたわら、人事制度、採用などの各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。著作に『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか−アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』ほか。

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プロフィール:ちきりん

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。近著に『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

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