冴えない展開だが、昨日の大幅下落もあって底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年05月24日 16時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 欧米株安などを受けて軟調な始まりとなったものの、昨日大幅下落となっていたこともあり、底堅い堅調な展開となりました。特に何か好材料が出たというよりは売られ過ぎの修正と言うことで底堅さが見られるのでしょうが、まだ値動きの良い銘柄に買いが集まるところを見ていると盛り上がりに欠ける相場ではあるものの大きく崩れると言う雰囲気でもありません。

 証券会社の株などが冴えない展開となっていますが、かつての過剰流動性相場とは大きな違いです。NTT(9432)が上場した時のように株式市場に活気が見られ、証券界も金融業界も元気いっぱいと言う「バブル」は期待できないのかもしれませんが、バブルの後遺症もあって証券界はとても寂しくなっています。仲間うちでもかなり証券界から足を洗った(?)人間も多く、株式市場の売買高だけを見ていると当時よりもはるかに売買高は多いのですが、盛り上がりに欠けるようです。

 こういうことを言うと怒られてしまいますが、証券会社が「株を勧める」と言うことは今は皆無であり、「証券マン」などと言う言葉もおそらく「死語」となってしまっているのではないかと思います。何でもかんでも「昔が良かった」と言うつもりはありませんが、顧客に勧める株を探すのに四苦八苦しながら単に経済の仕組みやバランスシートだけではなく、「株式市場」そのものについて良いことも悪いことも勉強していたことが今は大いに役に立っているような気がします。

 「株主総会に出てみよう」とか、「企業分析をしっかりしよう」などともっともらしいことが言われることも多いのですが、世の中のすべての事象が複雑に絡みあって、良いことも悪いことも考えながらの心理戦が「市場」と言うものだと思います。「ポジショントーク」も個々の証券会社の思惑も、仕手筋やディーラーなどのわけのわからない動きも含めての株式市場であり、あまりに規制ばかり強化してもいびつな相場になってしまうのではないかと思います。何はともあれ、しっかりと株式市場で儲けることが第一と言うことでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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