「コンドーです、ロコンドーです」――Web靴販売の起業で常識を破れ郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2011年05月19日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

3人の若き代表取締役トリオ

 「ファッションECの可能性を考えていたところに、欧州の靴のWebサイトZalandoを成功させて、日本市場にも興味がある投資育成会社のロケット・インターネットと出会ったんです。温かいネットの買い物体験を目指したいと意気投合。ネットで靴を買う習慣がないからこそ、市場機会があると考えました」

 ジェイドでマーケティングとWebを担当する代表取締役の秋里英寿さんは言う。彼は海外でコンサルとして長く働き、起業も経験。ネットのショッピングが楽しくなるような会社を作りたいと考えていた。そんな時にロケット・インターネットと出会い、2010年10月22日にジェイドを設立、2011年2月にWebサイトを本格スタート、2月28日よりCM開始。ものすごいスピード感の“垂直立ち上げ”で靴市場に斬り込んだ。

左から保田朋哉さん、秋里英寿さん、田中裕輔さん

 同じく代表取締役の保田朋哉さんは、住友商事でバナナを売っていた経験などが買われ、バイイング担当。どうやってこんな莫大なブランド、品揃えを短期間に実現できたのか?

 「浅草橋駅で電車を降りて、電話帳でアポを取って訪問です。1社ずつ落としていきました」

 靴のメッカ浅草、そして神戸の靴の会社を訪ねつぶし、商社マンパワーで圧倒的な品揃えを実現した。

 そしてもう1人の共同創設者、小売・流通業界に詳しい田中裕輔さんは“ヤバいほど”靴が好き。「これパリで大流行なんです」と足元のカンフーシューズを見せる。田中さんが担当するロジスティクスにロコンド.jpの特徴が詰まっている。

 「1足1足履いて、履き心地まで確かめて撮影しています」

 Webサイトはサクサク、画像拡大も思うまま。驚きは商品検索。「価格」「ブランド」「サイズ」はもちろん「色」「靴幅」「ヒール型」「ヒール高さ」「中敷素材」「ソール素材」……など恐るべき絞り込みの細かさ。これならチョイスで失敗することはないだろう。失敗しても返品自由だし。

 「母の日に5足贈ろうキャンペーンをやったんです。お母さんに5足送って『選んだらあとは返品して』、これウケました」と保田さん。

 エプロンやハンカチではなく「靴を贈る」のは斬新。すぐに返品すれば当月中に返金可能。でもお母さんが「せっかくだから全部もらっておくわ」と言えば、息子娘はとんだ出費(笑)。そんな“生活に食い込んでゆく”施策をどんどん打つ。「今どきの売れ筋は何?」と保田さんに聞いてみた。

 「スカーレット・ヨハンソンのビブラムシューズ『ビキラ』ですね」

ビキラ

 ぽっちゃり女優スカーレット・ヨハンソンがジョギング姿を激写された(参照リンク)。「妊娠か?」と疑われたシルエットの足元には、5本指のビキラがあった。う〜ん、彼女の“ビキニ”は見たくないかも(笑)。

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