第48鉄 金八先生の桜とスカイツリーを見に行く――ちょっとだけ東武伊勢崎線杉山淳一の+R Style(3/6 ページ)

» 2011年05月18日 13時45分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

散歩の予定も節電しだい!?

 東武浅草駅のシンボルといえば宝塚の舞台のような大階段。普段は両側のエスカレーターを使うところだけど、この日は節電で停止中。ここだけではなく、都内の鉄道はどこもかしこもエスカレーターが止まっていて階段だらけ。メタボ体型には厳しいけれど、ここは前向きに宝塚のスターになった気分で大階段を上った。

 銀色の電車で目指すは東向島駅。東武鉄道といえば最近はスカイツリーの話題が多いが、今日はいったん最寄り駅の業平橋駅を通過して、先に東向島の東武博物館に行く。東武博物館も節電のため15:30で閉館になってしまうのだ。「自粛しないで出かけよう」「消費を増やして経済を元気にしよう」というけれど、出かけたくても節電ムードで目的地が開いていない……。悩ましいところだ。

 東武博物館は東向島駅に隣接している。改札を出るとすぐに入り口が見つかる。だけど入館前にその先を見てほしい。デラックスロマンスカー(DRC)こと1720形と、明治時代に活躍した日光軌道の路面電車がある。さらに歩いて水戸街道を渡るとSL広場があって、そこには東武鉄道開業時に活躍したB1形蒸気機関車もある。15:30閉館の今日なら、閉館後の明るいうちでもいいけれど、屋外展示だから入館前の明るいうちに観ておきたい。

 東武博物館は東武鉄道90周年を記念して、1989年に公開された施設だ。2009年に開館20周年を記念してリニューアルオープンした。この時、車両工場の片隅に保管されていた戦後初の特急電車5700形が復元されて持ち込まれた。また、東武鉄道初の電気機関車ED101形も新たに展示に加わった。ED101形は近江鉄道に譲渡されたが、廃車後も手厚く保存されており、新博物館を象徴する展示物として里帰りしたそうだ。運転シミュレータも刷新し、鉄道模型パノラマも最新の風景に作り替えられたという。

 中庭の5700形とED101を眺めて、蒸気機関車の駆動実演を眺める。鉄道模型パノラマは1日に5回のショータイムがあるほか、幕間の時間帯は運転台に100円玉を入れると自分で動かせる。幅14m、奥行き7mで都心から北関東平野を再現しており、スカイツリーもちゃんとある。かぶりつきの観客席も楽しいけれど、実は2階からも見下ろせる。こちらも空中散歩のようで楽しかった。ちなみに2階の通路の一部は線路際で窓があり、実物の車両が目前を通過する様子を眺められる。すごい迫力だと言いたいところだけど、そろそろ窓を磨いてほしいナ……。

鉄道の旅に戻ろう。伊勢崎線で東武博物館へ!
デラックスロマンスカーがお出迎え。1960年から約30年間に亘って活躍。日光といえばこの電車が定番だった
東武博物館入り口そばにあるヨーロッパ風レイアウト
5700形は1951年に誕生。戦後初の特急電車だった。全面の飾り板から「ねこひげ」の愛称がある
東武鉄道最初の電気機関車ED101形。近江鉄道から里帰りした
東武博物館の鉄道模型パノラマ。スカイツリーも立っている
2階からはパノラマ全体を俯瞰できる

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