一時大幅下落で軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年05月18日 08時38分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9567.02△8.72

<TOPIX>828.85▼0.70

<NYダウ>12479.58▼68.79

<NASDAQ>2783.21△0.90

<NY為替>81.39△0.62

芳しくない経済指標や商品相場の下落、業績の下方修正などから一時大幅下落で軟調

 朝方発表された住宅着工件数や鉱工業生産指数が予想を下回ったこと、特に住宅許可数が予想を下回ったことから売り先行となりました。前日引け後に発表された主力ハイテク銘柄の決算も業績見通しが予想を下回ったこともあり、欧州金融不安や新興国でのインフレなど懸念材料が多いなかで景気回復鈍化懸念が強まり大きく売られる場面もありました。インターネット関連銘柄などが値ごろ感から買い戻され、ナスダック指数は小幅高という水準まで戻し、ダウ平均も戻りましたが、冴えない展開となりました。

 引け後に発表されたハイテク銘柄の業績予想が引き上げられたこともあり、逆に底堅さを確認したことになるのかもしれませんが、QE2(量的緩和)終了後の景気回復度合いが懸念されて思い切って買い切れないということなのだと思います。ファンドなどの6月決算に向けての手仕舞い、持高調整の売りなども懸念されて、業績回復、景気回復を織り込みつつ堅調な相場展開は続くのでしょうが、足元を見つめ直すような一進一退の動きが続くのではないかと思います。

 個別には芳しくない住宅指標を受けてDRホートンやレナーといった住宅関連株が軟調、前日の引け後に予想を下回る収益予想を発表したHP(ヒューレット・パッカード)は大幅安となり、1銘柄でダウ平均を22ドル程度押し下げました。既存店売上高が8四半期連続で前年同期を下回ったウォルマートも軟調、インテルは軟調となったのですがIBMやアップル、グーグルなどのハイテク銘柄は引け際に買い戻しも含めて買い直されて堅調となり、欧州金融不安も一段落となったことでJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株も軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や原子力発電所事故の拡大懸念から売りが先行、外国人が買い越しと伝えられたこともあり底堅さも見られ、日経平均は小幅高となったのですが、積極的な買い気には乏しく総じてみると冴えない展開となりました。為替は円安に振れましたが債券が売られていることもあって、「日本売り」の様相を呈しており、買い急ぐ動きもありませんでした。原子力発電所事故や世界的な景気拡大鈍化懸念もあり調整気分が強まっています。

 米国市場が底堅い展開となったことやユーロが高くなった地合いを引き継いで日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。引き続き積極的に買い上がるだけの材料に乏しく上値も限られてしまいそうですが、好決算ながらも売られ過ぎた銘柄などの反発は期待されます。昨日の日中にユーロ高などに反応しきれなかったハイテク銘柄や自動車株の一角に買い戻しなどが見られるのではないかと思います。また、値動きの良い代替エネルギー関連銘柄なども買い直されるのではないかと思います。

 日経平均は引き続き9500円〜600円水準での底堅めと言う感じではないかと思います。原子力発電所事故が片付かないことには復興需要期待も半減と言うことでしょうし、大震災からの復興期待疲れも出やすい時期であり、一気に上値を追うと言うにはまだ材料不足と言うことではないかと思います。好悪の材料がもう少しはっきりとするまでは9500円〜600円台の底堅さを確認し、9800円〜900円水準での上値の重さを確認するようなもみ合いが続きそうです。

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