日本型雇用のココが問題――厳しい就活を強いられる学生たちちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(4)(3/4 ページ)

» 2011年05月18日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

学生はインターンに参加すべし

若者はなぜ3年で辞めるのか?』(著・城繁幸さん)

城:大学生は社会と断絶していますよね。それは企業にも責任がある。大学3年生の時点で内定を出したり、授業がある日に内定式を行ったりしますから。

 個人的にはインターンというシステムに期待しています。企業側からは「インターンをすれば選考の負担が増える」といった文句を聞くことがありますが、学生にとってはさまざまなことを学ぶ機会でもあるので、どんどん参加してほしいですね。

ちきりん:ベンチャー企業の場合、きちんと仕事をさせるところが多いですよね。

城:多くの学生は大企業に行きたがりますが、僕は「インターンならベンチャー企業に行け」と言っています。できれば従業員50人以下の会社がいい。そういうところは時給もきちんともらえるので、ヘンなバイトをするくらいであればきちんと働き社会勉強した方がいい。

 大企業は弁当代や交通費しか出さないところも多い。いわゆる“お客さまインターン”なんですよ。大企業で働くよりも、ベンチャー企業でどろ臭い仕事をした方がいい。そのどろ臭い経験をすれば、働き方を考えるきっかけにもなると思う。

ちきりん:大企業が1〜3日ほどのインターンしかできないのは、企業の建前と学生の建前――その乖離が大きいからではないでしょうか。だから長期間にわたって学生を受け入れることができないのかもしれない。

城:その通りです。僕が富士通にいたときにインターンを始めました。しかしほとんどの部署が嫌がるんですよ。「学生には仕事内容を見せられない」と。社外秘の仕事をさせるわけではないのでいいじゃないですか、と言っても「ものすごくドロ臭い仕事なんで、それをさせるとみんな来なくなる」と答えていた。

ちきりん:「お客さまインターン」とか「1日セミナー・インターン」をしている会社って、職場を見せられないから会社の玄関でセミナーを開いているといった感じですよね。

城:例えば人事部であれば、夜中まで残って学生のエントリーシートを読んでいたり、ドロ臭い仕事ばかり――。そんなところを学生に見られたら、何を話しても信用されないでしょうね(笑)。

ちきりん:仕事が終わっているのに、上司が残っているから帰れない――といったところを見られたらアウトですからね(笑)。

城:それは嫌ですねえ。

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