――その大事なユーザーインタフェースですが、画面の上での表現がGUIなら、手にとって触れる部分が、あのリモコンということですよね
柴田 リモコンもいろんなことを考えなきゃいけないと思っていたんですけど、普通のボタンがいっぱいあるリモコンは、何かAV機器のようなイメージがついちゃいますよね。SPIDERはAV機器ではないという考えを示したいので、もっと違うものじゃないといけないと考えていました。ここで課題だったのは、操作を考えると、必要なボタンの数が決まってしまうことです。特に難題だったのは「十字カーソル」は絶対にないと困るという点でした。
有吉 前のSPIDERを開発したときに、どのボタンがいるか、どれがいらないかをかなり時間をかけて洗い出していたので、最初からどのボタンがいるかはハッキリしていたんです。
柴田 これは私が携帯電話を何台かデザインしていたから思うのかもしれないけれど「十字カーソル」が入っちゃうと、何だか古くさいイメージになるなって思ったんですよ。そこで、しばらく考えた後、いっそ、それをメインにしてしまえばいいんじゃないかなって思ったんです。
平らなところに十字カーソルを置くとわりと古くさい感じになっちゃうけれど、まず十字カーソルがあって、そこからカタチができるっていうモノにしたらどうかなって思いました。要するにこの十字部分が始まりで、そこからリモコン本体がニューッと出てきているような感じです。一番、重要なのはそこだったので、そこからカタチをつくりましたというアプローチです。そして基本的にはここにすべてがおさまるようなイメージをつくっていきたい。
――SPIDERのすべてを、これで操作するわけですね
柴田 モノとしては、これがSPIDERの入り口かなと思っています。実際にはどこかに本体はあるんですけれど、ユーザーが目にするのはリモコンだけ。そういう見せ方をすると、AV機器じゃなくなってくるんじゃないか。これがSPIDERの在り方をどうするかを考えた上でのデザインの仕掛けです。
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