柴田 依頼を受けたときにまず困ったのが、「私はテレビを見ない」ということでした。テレビ番組のあのガチャガチャとうるさい雰囲気が嫌いなんです(笑)。3回目の打ち合わせくらいまでは「私、テレビ見ないから、そのマシンのメリット、ぜんぜん分からない」みたいな態度でいました。まあ、それをいったらカプセルホテルのときもそうでしたけれど(笑) 「ほかのメーカーのレコーダーとどう違うの?」「え、毎週のドラマが録り貯めできないってどういうこと?」「ぜんぜん、分からない」という感じで、最初は本当に険悪だったんですよ。「正直、私、これやりたくない」とまで言っていたかもしれません。
今回は結局2案つくりましたが、ウチは基本的にはデザインは1案しかつくりません。なので「こんな感じ」とか「〜〜風」といった印象だけでデザインをしてしまうわけにはいきませんでした。クライアントが頭の中に持っていることが、そのまま生まれたらこうなるというカタチがあるはずなんですが、それを見つけるためには、まず自分でも納得しなければなりません。でも、それができなかったんです。有吉さんにSPIDERについて説明してもらい、彼が思っていることを言葉から探り出していくことが最初の作業だったんですが、そこが何といっても大変でした。心で思っていることと言葉に表したことって乖離しているところがあるじゃないですか……。
有吉 だから、私もこれはやはりSPIDER PROの実物を触ってもらうのがいいだろうと思って、いきなり実物を送りつけちゃったんです。ご自宅と事務所と。事務所のスタッフの方もどうぞご自由にお使いくださいという感じで。
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